もうすぐ春節(旧正月)がやってきます。台湾ではお正月準備があわただしくなってきました。
台湾では旧正月前には、日本のお正月前同様に、大掃除をして、お正月飾りをつけたりします。そして多くの人が家中に花や緑を飾ります。
そのため、旧正月前には花市にたくさんの種類の縁起のいい花や植物が並び、それを買いに来る人でいつも以上に賑わいます。
台湾ではここ数年、お花屋さんが少し街中に増えてきましたが、やはり花市に行って花を買うという人が多いようです。
どんな花や植物が縁起がいいとされているのかというと、見た目も華やかな「百合」や、洋ランとして親しまれている「オンシジューム」、“幸運”や“金運を招く”という意味がある「きんかん」。
また、日本でもお正月飾りとして使われる「ネコヤナギ」は、台湾語で“財を招く”という意味の「銀兩」と発音が似ているということで、これらの植物も縁起物として人気ですし、他にも、日本ではその名前から「死」や「苦しみ」と言った言葉を連想させることから“縁起のいい”イメージはない「シクラメン」が、台湾ではエネルギーをいっぱいにしてくれ、多くのお客さんを迎えることができるとして、“縁起のいい”花の一つとされています。
そんな花や植物が並ぶ花市─。
台北市内で有名な花市と言えば、台北市のほぼ中央部を南北に走る「建國高架橋」という高架橋の下のスペースで毎週土曜、日曜に開かれる「建國假日花市(建国ホリデーフラワーマーケット)」。
ここは、平日は駐車場として使われている高架下が、週末になると花市に変わります。
その「建國假日花市」では、毎年この旧正月前になると「日本松江大根島牡丹花展」が行われます。
これは、世界有数の牡丹苗の産地である、日本の島根県松江市大根島の“牡丹”の展示会で、2006年の春節に初めて台湾に登場し展示され、2012年からは台北市政府と共同で毎年「牡丹展」を開催しています。
今年(2022年)も一昨日(1/22)から始まりました!
今年の「牡丹展」は、新しい年の干支 が「寅年」であることから、道教の神様の一つである「虎爺」をモチーフに、新型コロナの防疫対策と掛け合わせ、「防疫虎爺將軍來作戰」というテーマで、フラワーコーディネーターが巨大な花のオブジェを製作。人々の安全、安心、幸せを願っています。
また、このほか、300株の様々な品種の松江大根島の牡丹が展示されていて、牡丹の花の神様の祝福の下、新たな一年の開運と招福を祈願しています。
昨年に引き続き、新型コロナの影響を受け、開幕式では、松江市の上定昭仁・市長は映像での登場でしたが、松江市を紹介し、海外に旅行に出かけられない中、「建國假日花市」で日本のボタンの美しさと、松江市を感じてもらおうと、観光に関する情報や、物産などの特色を紹介しました。
また、「建國假日花市」の会場にも、松江市の観光および農産品プロモーションエリアが設けられているほか、「春節花市DIY講座」と題して、プロによるフラワーアレンジメントのDIY講座が行われています。
牡丹の花はその姿がとても高貴で、マジョリカタイルの絵柄にもなっているなど、台湾でも人気の花で、その華やかさから新年を迎える花としてもぴったりなので、毎年この「牡丹展」を楽しみにしている人も多くいます。
今年の「牡丹展」は、1月26日まで。
華やかな牡丹の花と共に、日本の空気感をもたらし、旧正月前の台湾の人たちを楽しませています。