東京パラリンピックが開幕しておよそ1週間、各国選手たちの熱い戦いが繰り広げられていますが、先の東京オリンピックで活躍した台湾のメダリストたちも、台湾に戻り、隔離期間を満了した後、あちらこちらのイベントに引っ張りだこです。
そして、先週末(8/27)、東京オリンピックで金メダルを獲得したバドミントン男子ダブルスの「麟洋配(リンヤン・ペア)」と呼ばれている王齊麟(ワン・チーリン)、李洋(リー・ヤン)ペアが、台北市にある日本の対台湾窓口機関である「日本台湾交流協会」を訪れ、泉裕泰・代表と面談。コロナ禍にオリンピックを開催してくれた日本に感謝の意を表明しました。
交流協会の泉代表も、「麟洋ペア」が優勝を決めた瞬間のライン際ギリギリにシャトルが落ちた際の映像判定をデザインした「Taiwan In」の緑色のマスクを着け、二人を迎え、「優勝が決まった瞬間はとても興奮し、嬉しかった。そして台湾代表のオリンピック旗がゆっくり上って行った時、台湾の人たちは間違いなく感動した」と言い、「すべてはあなたたちの功績です」と労いました。
泉代表は、二人の東京オリンピックに関する評価も気になっていたようで、二人に尋ねると、李洋選手は、「非常に素晴らしかった。特にコロナ禍、日本はとても大きなプレッシャーの中で、それでもしっかりとオリンピックをこんなに素晴らしく開催できたことが素晴らしかった。本当に日本に感謝している」と語り、王齊麟選手も、「日本の食べ物はとても素晴らしかったし、環境もとてもよかった。東京オリンピックの成功によって、私たちはスポーツの最高の舞台で活躍するという夢のチャンスを得ることができた」と語っていました。
そんなオリンピックの話題から、二人の家族の話や漫画の話、おススメの美食の話など、様々な話題で盛り上がった3人。
泉代表が二人に、台北と台中にある日本人学校の生徒たちにこれからの励みになるよう、“座右の銘”を教えて欲しいとお願いしたところ、王齊麟選手は、「負けても練習、負けなくなるまで練習をする」という言葉を、そして李洋選手は「努力は必ず成功するとは限らないが、努力なしでは成功はしない」という言葉をそれぞれ色紙にしたためていました。
その後、「麟洋ペア」と泉代表は、日本へのマスク寄贈記者会見に参加。日本で感染の拡大が続いているこの時、日本へワクチン支援のお返しと、オリンピックを行ってくれたことへの感謝の気持ちを込めて、台湾の不織布専門開発業者である台灣易廷企業が、日本が台湾に最初に送ってくれたワクチンと同じ数の124万枚の特製マスクを日本の各地方へ寄贈するとし、「麟洋ペア」はその公益大使として登場。「このような行いがさらに多くの善行の循環をもたらすことを願っている」と語りました。
なお、今回、「麟洋ペア」はオリンピック後、初の公益活動への参加ですが、実際彼らは、オフシーズンには、離島の金門や綠島、そして台湾北東部の宜蘭などを訪れ、草の根活動にも力を注いでいて、アスリートの影響力を通じて、社会のためにポジティブなエネルギーをもたらしたいとしています。
「麟洋ペア」は、9月中にはこれまで通りの練習に復帰する予定で、最初に参加する試合は10月にデンマークで行われるトマスカップとしていて、王齊麟選手は、次の大会でも台湾のために勝ち続けたいとコメント。金メダルを取ったことによるプレッシャーがあるかにつては、李洋選手は「一度も負けたことがない金メダリストはいないだから、謙虚な姿勢を持ち続け、ひたすらバドミントンが好きだという気持ちを忘れないようにしている」と語っています。
この日、日本と台湾の友好親善大使を務めた「麟洋ペア」。オリンピックをきっかけにバドミントンを通じて日台の架け橋となった二人のこれからの活躍にも注目ですね。