新型コロナの域内感染が5月に広がったことから、防疫警戒レベルが3級に引き上げられ、およそ2ヶ月半にわたって自粛生活が続いている台湾ですが、7月に入ってから新規域内感染者数も減少してきたことや、ワクチンの接種率も目標であった7月末までに25%に達することから、明日(7/27)から防疫警戒レベルが2級に引き下げられます。
まだ細かくは様々な制約があるものの、これにより、屋内50人、屋外100人までの集まりが可能となるため、すでに7月13日からの一部規制緩和によって開放されている、国家公園やクリエイティブパーク、博物館や美術館などに加え、さらに幼稚園や塾、マッサージ店や宗教施設なども開放されるようになり、少しずつ日常が戻ってきそうです。
その警戒レベル引き下げに一役買っているワクチン接種率の引き上げができた要因の一つが、日本からのワクチンの無償提供。これまでに日本からは台湾へ6月4日、7月8日、7月15日と3度にわたり、合計334万回分のワクチンが送られてきています。
台湾では、様々な要因からワクチンの入手に苦労していた中、域内での感染拡大となり困っていたところに日本が手を差し伸べてくれたと、日本からワクチンが届けられるたびに、蔡英文・総統をはじめとした政府要人からの感謝のコメントや、台北市のランドマーク、台北101や圓山ホテルによる感謝のメッセージライトアップ、そのほか、自治体、団体、企業、個人問わず多くの人たちが日本に向けて感謝のメッセージを発信しています。
そして、先週7月22日にも日本の産経新聞に、ワクチン提供に感謝する広告が掲載されました。
これは、台湾と日本の交流促進を図る民間団体「台日文化経済協会」が発起人となって、88の台湾の企業や団体などが参加したもので、その紙面には、大きく「台湾、日本 一起加油(力を合わせて頑張ろう)」と記されていて、その下には、「ともに、コロナに打ち勝とう。コロナ禍で分かった、真の友。ワクチンを送っていただいた日本の友情を永遠に忘れることはありません。私たちは手を携えて、どんな困難も乗り越えていけるでしょう。」というメッセージと、タイワンツキノワグマと桃太郎が「頑張れ!日本の桃太郎」、「頼れる仲間 台湾黒熊(タイワンツキノワグマ)」と声を掛け合いながら力を合わせて綱引きの綱を引くイラストが添えられています。
この“感謝の広告”が掲載されたのは7月22日─。その日は、新型コロナによって延期となっていた「東京オリンピック」の開会式の前日。
その東京オリンピックの開幕に合わせ、“台湾へのワクチン支援への感謝の気持ち”と共に、“台湾と日本のオリンピック選手たちへのエール”も込められています。
この広告に、台湾の与党・民進党の鄭運鵬・議員も、自身のフェイスブックページで、「民間交流と協力は、台湾と日本の戦後から続く強固な友好関係が最大のベースであり、このような民間の信頼感はいかなる外交手段を持ってしても得られないものである」と台湾と日本の絆の深さを強調していました。
そして、ついに開幕した「東京オリンピック」の開会式は、台湾でも多くの人が観ていて、特に台湾の選手たちの入場のシーンではその多くの人たちが沸きました。
様々な要因によって今だ困難の多い中、開幕した「東京オリンピック」。開幕したからには、真剣に目標に向かって頑張る選手たちを応援し、サポートしていきたいですね。
そして、台湾と日本の選手の活躍も期待するとともに、互いにエールを送りあう関係がこれからもずっと続いて欲しいと願っています。