ここ数年、「VR」という言葉をよく耳にするようになったと思いますが、皆さんは「VR」を体験したことはありますか?
この「VR」とは、「バーチャルリアリティ」の略で、「仮想現実」とも言われます。VRゴーグルを着用することで、作られた映像がまるで本物であるかのように感じられる技術のことです。
新型コロナの影響で、オフラインでのイベントや集客が難しい状況となり、オンラインでの活動が増えたことから、様々な業界で今、この「VR」に注目が集まっていて、メディアでも良く取り上げられるようになったことから、「身近で便利なもの」というイメージを持つようになった人も増えているようです。
そんな中、台湾のスマートフォン大手「HTC」が展開する、HTC VIVEおよびバーチャルリアリティ(VR)のグローバルプラットフォームサービス「VIVEPORT」は4月28日、日本のアニメーション制作会社「バンダイナムコピクチャーズ」と戦略的提携を結んだことを発表しました。今後は、VRを活用したコンテンツを共同で開発するとのことです。
HTCはスマートフォンだけでなく、「VR」事業にも積極的で、アメリカのゲーム開発会社「Valve Corporation」と共同でVRヘッドセット「HTC VIVE」を開発。また、バーチャルリアリティコンテンツや体験を楽しめるアプリストア「VIVEPORT」を展開しています。この「VIVEPORT」は、70か国以上で展開されているグローバルプラットフォーム、VRサブスクリプションサービス、アプリストアで、ユーザーは数千以上のVRアプリやゲームを体験することができ、コンテンツ制作者はコンテンツを配信して収益化する方法を最大限に活用することができます。
一方のバンダイナムコピクチャーズは、数多くのテレビシリーズ、オリジナル・ビデオ・アニメーション(OVA)、配信作品並びに劇場映画を制作・保有し、特にオリジナル作品を積極的に生み出し続けているアニメーション制作会社です。
「アイカツ!」や「バトルスピリッツ」、「TIGER&BUNNY」といったオリジナルシリーズを手掛けるほか、「銀魂」や「ケロロ軍曹」などのコミックベースのアニメーションも制作しています。
そんなバンダイナムコピクチャーズにHTCは既に新規作品への出資も始めていて、オリジナル作品との連動を強く押し出したコンテンツ開発を同時に進め、ワールドワイドな出口戦略の一つとして、映像と一緒に電子商品やライブイベントなど様々な形で世界中のファンに直接アプローチし、幅広い層にVRサービスを広め市場拡大を狙うとのことです。
バンダイナムコピクチャーズの尾崎雅之・社長は、「これまで培ってきたオリジナルアニメーションの企画・制作ノウハウと、HTC社の高い技術力や通信プラットフォーマーという強みを融合することで、物理的な制約を超えてファンが一緒になって楽しむことのできる環境が実現する」とコメント。
HTCコンテンツ&プラットフォームの林俊呉・副総経理は、「HTCはバンダイナムコピクチャーズと世界で初めてVR共同パートナーとなった。今回の提携を通して、HTCはアニメコンテンツを別の領域に引き上げるだけでなく、VR産業の無限の可能性を引き出すことができる」と語りました。
なお、「数か月中に、日本のアニメコンテンツがVIVEPORTに登場し、より多くのバーチャル体験を視聴者に提供していく予定だ」とのことです。
台湾と日本のそれぞれの強みを生かした提携で、今後どのようなコンテンツが登場し、広がっていくのか、楽しみですね。