先日、中華民国・台湾の駐日大使に相当する、台北駐日経済文化代表処の謝長廷・代表が屏東県議会と鹿児島県議会の友好交流に関する覚書のリモート署名式に証人として立ち会うため日本の鹿児島県を訪れました。
鹿児島訪問では、その署名式の他にも、伊佐市の薬草園や滝などの美しい自然を訪問したり、植樹を行ったりしたそうですが、その際にあちらこちらで中華民国国旗がはためいていたのを見て、自身のフェイスブックページに、「ホテルから山の上のレストラン、漁船まで、行く先々で中華民国国旗がはためいていた。実際問題として、日本ではこの国旗に関しては非常にデリケートで、多かれ少なかれ圧力がかかっており、港湾組合でも警告を受けると話していた。それにも関わらず、国旗を掲げてくれた地元の人々の熱意と心意気に感謝している」とコメントしています。
また謝長廷・代表は、鹿児島訪問では、東京オリンピック・パラリンピックの台湾代表選手を受け入れるホストタウンに登録している大崎町と奄美大島にある龍郷町の町長に台湾パイナップルを贈り、感謝の気持ちを伝えるとともに、「台湾ではパイナップルは“幸運”、“繁栄”を意味する」ということも伝えていました。
そんな台湾のパイナップルといえば、今やすっかり“台日交流”の代表的存在となっています。
先週、安倍晋三・前首相も自身のフェイスブックページに「今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう。」と、5つのパイナップルと共に映った写真をアップロード。
それだけでも話題となっていましたが、さらにそのパイナップルが載っている箱に可愛いパイナップルのイラストと「台灣鳳梨(台湾パイナップル)」と中国語で書かれているのを見て、「これは高雄のパイナップルだ!」と高雄市農業局は反応。
高雄市の陳其邁・市長も、「機会があればぜひ最高に甘くて美味しい金鑽鳳梨(きんさんパイナップル)を食べに高雄に来てください」と同じ絵柄の箱が積み上げられたパイナップルの箱の前で写った写真と共にメッセージをアップしていました。
また、岩手県の花巻温泉では、「東日本大震災発生時に台湾から受けた支援への感謝の意を表すとともに、台湾現地のパイン農家をできる限り応援したい」と、台湾南部の屏東県から6トン、およそ5千個の「台湾パイナップル」を購入。4月19日には屏東県の高樹鄉で、屏東県と岩手県花巻市の花巻温泉をオンラインでつないで盛大に出荷セレモニーが行われ、屏東県の潘孟安・県長も出席し、一緒に屏東県産の台湾パイナップルを花巻温泉へと送り出しました。
そして4月30日には同様にオンラインでつないで、台湾パイナップルの“到着歓迎レセプション”が行われ、現在、花巻温泉の園内の4つの宿泊施設で利用客に提供されています。
そして、台南からは、九州のイオンのスーパーに台湾パイナップルが到着!しかも台南市の黃偉哲・市長自らが登場するビデオで、日本の人たちへ向けて、パイナップルの選別から梱包の流れを紹介し、“鳳梨台灣隊(パイナップル台湾チーム)”のパイナップルの品質の保証をするとともに、市長自らパイナップルの皮をむき、「一口食べてはもう一口…止まらない!」と、まるでテレビショッピングキャスターのようにPRをしています。
この黃偉哲・台南市長が出演しているPR映像は、日本の20を超える紙媒体、電子媒体、ネット媒体で紹介されている他、九州の66の大型モール、181の大型スーパーのモニターにて放映されています。
黃偉哲・台南市長は、「台南と九州の熊本は共に2016年に地震に見舞われ、復興の中でお互いに支えあってきた地なので、特別な感情がある」とコメント。九州にあるイオンのスーパーに到着した“鳳梨台灣隊(パイナップル台湾チーム)”のパイナップルは、最も目立つ位置に並べられました。
台湾パイナップルの産地のトップも、自らが積極的に登場して“台湾パイナップル”による台日の交流を盛り上げています。
しかも、どこのニュースを見ても、送り出す台湾側も、届いた日本側も、みんな笑顔が溢れています。台湾側としては自慢のパイナップルがたくさん売れて、しかも美味しいと言ってもらえるのはとても嬉しいことですし、やはり美味しいものはみんなを笑顔にしますね。
台日交流の代表的存在となった“台湾パイナップル”、皆さんも見かけたら、ぜひ食べてみてくださいね。