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ナルワンアワー(月曜日) - 2021-02-08_今、注目を集めている絵本、「台灣早餐地圖(台湾朝ご飯マップ)」

  • 08 February, 2021
ナルワンアワー(月曜日)
聯經出版が「台灣早餐地圖」を1冊の本にすると決めたとき、頭に浮かんだのが日本在住の台湾人イラストレーター「百香果」さん。とても温かみがあるイラストで食べ物を描くのにぴったりだと思ったそうだ。(写真:CNA)

先月(1/26)、蔡英文・総統が自身のフェイスブックで「#po你最近買的書challenge(最近購入した一冊チャレンジ)」というハッシュタグを付けて、15冊の本を紹介しました。

これは、本来この日、1月26日に「台北國際書展(Taipei International Book Exhibition)」が開幕する予定だったのですが、今年は新型コロナによる影響で、会場でのイベントは行わず、オンライン開催となったことに対して、蔡・総統が、「会場イベントが行われないのは残念だが、それでも私たちは本を買うし、本を読む。みんなで共に多元的で自由な台湾の出版業界を支持しよう!」とエールを送ったものです。

これに応え、賴清德・副総統や、黃偉哲・台南市長といった政治家から、人気司会者の黃子佼(ミッキー・ホワン)、人気YouTuberの蔡阿嘎(アガー)、さらには大手通販サイトや外交部、台北植物園などのオフィシャルサイトの“中の人”までもが自身が最近買った本を紹介しています。

そんなムーブメントを巻き起こした蔡・総統の書き込みですが、その紹介している15冊の本の中に、日本在住の台湾人作家さんが書いた本が入っていました。それは、イラストレーター「百香果」さんの絵本「台灣早餐地圖(台湾朝ご飯マップ)」─。

「今日、あなたは朝ご飯を食べましたか?あなたはどんな朝ご飯が好きですか?」そんなテーマで、ページごとに各地の美味しい朝ご飯とその土地の文化を組み合わせた鮮やかなイラストが描かれた19ページの“朝ご飯マップ”です。

例えば、“台湾式玉子クレープ”と呼ばれる伝統的な「蛋餅」や「豆漿(豆乳)」、台湾の有名な朝ご飯のチェーン店「美而美」といった全国的にお馴染みの朝ご飯はもちろん、台北市だと、買った朝ご飯を手に小走りのスーツ姿の男性が描かれていたり、西門町の辺りには「大腸麵線(もつ煮込み素麺)」のイラストと、観光客がそれを食べているような絵があったり、台湾北西部・苗栗エリアでは客家料理が描かれていたり、桃園国際空港の所在地である北部・桃園エリアでは、機内食のイラストまでもがあったりと、地域の特色もわかる絵本となっています。

同じ麺料理や「蛋餅」や「魯肉飯(ルーローハン)」でも、地域ごとにちょっと違った特色がある部分も細かく表現されていますし、同じ料理でも地域によって名前の呼び方が違ったりしている部分も現地の呼び方に合わせて書かれていたりして、これは、台湾好きの日本人もきっと見てワクワクする絵本だと思います。

作者の「百香果」さんは、台北出身。ご主人の仕事の都合で2009年に東京に渡ったそうですが、その時に初めて故郷を懐かしく感じたそうです。

東京では食べたものを絵に残すようになっていたという「百香果」さん。元々、食べることが好きだったことと、学生時代にグラフィックデザインを専攻していたことから、食べ物を描くことは非常に自然なことだったそうです。

2016年に台湾の出版社「聯經出版」が「十二個插畫家的台灣風情地圖(12人のイラストレーターが描く台湾の風景マップ)」を出版したのですが、その時のテーマの一つに「全台早餐(台湾の朝ご飯)」というのがあり、そのテーマへの注目度が高かったことから、単独で1冊の本にすることを決めたそうです。その時、出版社の人の頭に浮かんだのが、イラストレーターのイベントの際に知り合った、「百香果」さんでした。出版社の方の話によると、「百香果」さんのイラストは、とても温かみがあって、食べ物を描くのにぴったりだと思ったんだそうです。

ただ、一般に、朝ご飯に関する情報というのは、どうしても自身が住んでいるエリアの情報に限られてしまいます。さらには、「百香果」さんは、日本に住んでいるということもあって、制作過程は大変なものになったそうです。

2018年から資料集めに多くの時間を費やし、3年をかけ、「百香果」さんは、その間に3度台湾に渡り、13の都市を訪れ、調査を行いました。訪れた先では、現地の人たちから色々と話を聞き、みんなそれぞれが自身の住んでいる町の朝ご飯に愛着や誇りを持っていることを感じたんだそうです。

そして完成したこの絵本「台灣早餐地圖(台湾朝ご飯マップ)」。今年、2021年の1月21日に台湾で出版となりました。

中には、台湾南部・嘉義の30年の歴史をもつ「蓬來漢堡」や、70年の歴史を持つもやしそばを売る老舗の「豆菜麵老店」といった、新型コロナの影響で閉店してしまったお店のイラストもあります。出版社によると、多くの朝ご飯屋さんは、その土地の人にとって“懐かしい記憶”であることから、これらのお店もイラストに残すことにしたんだそうです。

日本での販売は、現在のところ、楽天の通販サイトで販売されているのが確認できました。蔡・総統の紹介がきっかけで注目を集めていますので、書店に並ぶのはこれからかもしれませんね。

ガイドブックではありませんが、この絵本をもって台湾の朝ご飯巡りをしたくなる、そんな1冊です。機会があれば皆さんもぜひ手に取ってみてください。

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