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ナルワンアワー(月曜日) - 2020-11-09_台湾バナナが学校給食に!食文化を通じた台湾と日本の交流

  • 09 November, 2020
ナルワンアワー(月曜日)
台湾バナナは甘みがあり濃厚な味が特徴。昨年、笠間市の学校給食に提供したところ学生や児童に好評だったことから、今年も給食用に購入することとなった。食文化を通じた交流が続いている。(写真:CNA)

皆さんは、台湾のフルーツといえば、何を一番に思い浮かべますか?今では“マンゴー”が一番最初に名前が上がりますが、かつては台湾のフルーツといえば、“バナナ”でした。1960年代、日本でバナナといえば“台湾バナナ”の事を指すほど有名で、しかも当時は滅多に食べられない高級品だったそうです。

しかし、安価なフィリピン産やエクアドル産のバナナに押され、ここ20年は数量、金額ともに低迷が続いていました。

フィリピンでは大農園で大規模栽培が行われ、安い価格、安定した品質でバナナを輸出することができた一方、台湾バナナは小規模な農家が、昔ながらの生産方法を継承しつつ生産していることから、価格は高く、品質にばらつきがあるものになってしまっていたことが原因のようです。さらには国内消費も多かったので、無理に他国と競争してまで輸出しなくても…という部分もあったようですね。

しかし、もっと台湾バナナの販売を広げようと、近年では、農産物を世界市場に向けて販売するサポートを行う会社を立ち上げたり、バナナ農家が、日本市場で求められる農産物生産管理の国際規格「Global G.A.P」の取得ができるようサポートしたり、AI技術を導入し生産の標準化を図るなど、様々な対策を行っています。

その結果、輸出量も年々増えているところですが、そんな様々な取り組みの中の一つとして、台湾バナナの日本での販売量や知名度をもっと高めようと、行政院農業委員会農糧署は昨年(2019年)、日本の茨城県笠間市と「食を通じた文化交流と発展的な連携強化に関する覚書」を交わしました。この覚書は、農産物取引や、人的交流の強化などで相互理解の深化を目指すものです。これにより、昨年の秋、笠間市の学校給食に台湾バナナを提供したところ、日本の学生たちから「台湾バナナは味が濃厚で他の国のバナナとは違う」、「美味しい」と大好評だったそうです。その反応を得て、笠間市は今年も学校給食用に購入することを決めました。さらには近隣の水戸市、大洗町、常陸那珂市の学校給食でも台湾バナナが登場することとなりました。

台湾バナナは、フィリピン産などと比べると、気候の関係から成熟するまでに時間がかかる分、甘みがあり濃厚な味なのが特徴です。笠間市の子供たちはその味を気に入ってくれたようですね。

農糧署作物生産組の范國慶・科長は、「高い品質で新たな層を獲得する戦略だ。(学校給食を通して)学生からの“草の根販売活動”だ」と語っていましたが、茨城県内の一部のスーパーでは台湾バナナの販売も行っているそうで、確かに学校給食で台湾バナナを食べた子供たちが親と買い物に行ったときに台湾バナナを目にして「これ、美味しかったんだよ!」なんて会話をしていたら、親御さんたちも「じゃぁ、買って帰ろうか」なんて販売促進につながっているかもしれませんね。さらには、昔、食べたことがある年長者も、「昔は高級でなかなか食べられなかったんだよ」なんて話をしながら台湾バナナの事を広めてくれているようです。

笠間市などの学校給食に提供される台湾バナナの輸出に先駆けて行われた記者会見では、日本側からの感謝の映像も流されたほか、笠間市やその周辺の特産品の紹介や、新型コロナが収束した後には、台湾の人たちを招待し、様々な風習体験や名物料理を味わったり、文化交流を行いたいと語っていました。

ちなみに、今年の夏には笠間市に台湾産の愛文マンゴーを贈っており、食文化を通じた交流が行われています。

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