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ナルワンアワー(月曜日) - 2020-10-26_台湾人日本画家・姚旭燈さんにまつわる台湾と日本の芸術交流

  • 26 October, 2020
ナルワンアワー(月曜日)
台湾出身、日本在住の有名な日本画家、姚旭燈氏の作品2点が台南市美術館に寄贈された。(写真:CNA)

台湾と日本の間には、ビジネスや旅行の交流のほかにも、ミュージシャンが行き来しライブを行ったり、ドラマや映画を共同で製作したり、同じ名前の地域や駅同士が交流をしたりと様々な交流が行われています。そして先日、美術の世界でも日本と台湾をつなぐ出来事がありました。今週はその話題についてご紹介しましょう。

先日(10/2)、台湾南部・台南市にある台南市美術館に、台湾出身、日本在住の有名な日本画家・姚旭燈氏の作品2点が寄贈されました。

姚氏は台湾中部・雲林の出身。小さいころから絵に興味を持ち、水墨画を独自で学びました。19歳の時に台湾で水墨画の個展を開いたところ作品はすべて完売。そのときたまたま台湾を訪れていた日本の政治家・玉置和郎氏も作品に一目ぼれし多くの作品を購入しました。そしてその後、姚氏は日本の拓殖大学に留学、日本に行ってからは姚氏はすぐさま日本画を徹底的に研究、その結果、水墨画と日本画の融合という形に発展し、独自の作品を次々と創造するようになりました。そして30歳の時に、日本美術年鑑が選ぶ優秀「日本画」画家に唯一の外国籍・台湾人画家として選ばれました。

現在も日本を拠点に、台湾、中国、韓国などで個展を数多く開くなどしている姚氏。彼の絵の題材は豊富で、風景画から人物、花や鳥、動物も描きます。鮮明で繊細な筆遣い、墨は豊かで自然で、温かみのある上品な色彩が特徴。中国伝統の水墨画をベースに日本画の彩を融合させた、誰もまねできない唯一無二の画風を生み出しました。坂東玉三郎や、吉永小百合の肖像画を手掛けたことでも知られ、李登輝・元総統もその作品を収蔵していたと伝えられています。

そんな姚氏の作品が今回、初めて台湾の美術館に寄贈されることとなりました。姚氏と台南市美術館をつないだのは、台南市出身の賴清德・副総統。昨年(2019年)の中頃、賴・副総統が姚氏を連れて初めて台南市美術館を訪問した際、姚氏は実際に台南の文化建設を目の当たりにし、台南市美術館の芸術に対するこだわりと熱意に触れ、自身の作品を寄贈することを決めたんだそうです。

当初は今年(2020年)の3月に1作品を寄贈する予定でしたが、世界的に猛威を振るっている新型コロナの影響で半年遅れてしまいました。しかし姚氏の好意でさらにもう1作品増やし、2作品の寄贈となりました。

寄贈された作品は、美しい大きな羽を広げた孔雀が描かれた作品「光彩翎羽」と、生き生きとした七面鳥が描かれた作品「喜悅」です。

実は孔雀が描かれた作品のほうはタイトルがなく、台南市美術館に届けられた後、姚氏から「タイトルをつけてください」と言われたそうで、台南市美術館の職員らが討論を重ね決定したんだそうです。

これからこの作品を目当てに台南市美術館を訪れる人も増えそうですね。

なお、台南市美術館はもうすぐ来館者延べ200万人を迎えるそうで、そのことを台南市美術館の名誉館長である陳輝東氏が姚氏に伝えたところ、姚氏は台南市美術館の「来館者が1000万人になったときには、特別な作品を描いてその来館者来場者にプレゼントしましょう」と約束しました。これを受け賴・副総統も台南市美術館に「その時にはカウントダウンイベントを行って宣伝するとより盛り上がる」と提案していました。

昔から芸術による交流も数多く行われている日本と台湾。「日本画」と聞くとちょっと難しいイメージがあって、日本人でもなじみのない人が多いかもしれませんが、これを機会に姚旭燈氏の作品から「日本画」への興味が日本人にも台湾人にも広がっていくといいですね。

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