新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船、「ダイヤモンド・プリンセス号」における感染者が先週、285人に増えました。この285人のうち、2人が台湾人です。1人は60代の女性、もう1人は85歳の男性です。
この85歳の男性は14日に感染が確認され、下船して隔離治療を受けているところです。この男性の息子は、父親を旅行に連れて行こうと思って友人に頼んで15日間に及ぶ豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」の旅行プランを購入しました。1月20日に日本神奈川県の横浜から出発し、22日に鹿児島に停泊、25日に香港に行き、31日に台湾北部の港町、基隆市を経由して2月1日に沖縄に向かいました。2月4日に横浜に戻って全日程を終える予定でしたが、2月2日、80歳の香港の乗客が帰国後、新型コロナウイルスの感染が確認されたことが分りました。クルーズ船の運営会社は、予定を繰り上げて3日に横浜港に寄港し、検疫を受けることを決定しました。それ以降、毎日のように感染が確認された患者が続出しています。
14日に感染が確認され、現在治療中の85歳の台湾人男性の息子は、このほど、台湾大手通信社、中央通信社に電話で連絡し、父親と一緒に泊まる船室には窓はなく、二人は咳が止まらず、特に父親はたんに血が混じっていて非常に心配していると伝えました。
この男性の息子は、大手通信社に連絡したほか、蔡英文・総統にも手紙を出しました。彼は手紙の中で、「85歳の父はたんに血が混じっている。感染者がどんどん増えている。太陽が見られず、新鮮な空気もないこの船室にいる私達は、大きな要求はない。父を外に連れて行ってほしいだけ。父が下船して隔離治療を受けられるよう願うだけ。僕は、日本政府の規定に従って隔離生活を続けてもかまわない。是非助けてください」と書きました。
もう1人の台湾人乗客も蔡英文・総統に手紙を出しました。この乗客は手紙の中で、「僕は今年75歳の身障者。太陽が見られない船室で1人閉じ込められて、とてもうっとうしい。早く僕を救出してください」と書きました。
総統府の丁允恭・報道官は11日、「蔡・総統はもうこのことを知った。関連ルートを通じて『ダイヤモンド・プリンセス号』の状況を把握している。政府の関係機関は、日本側と密に連絡をとっており、これらの台湾人乗客に必要な協力と支援を与えている」と説明しました。
新型コロナウイルス感染症が一日も早く収束に向かい、みなが一日も早く正常な生活を取り戻すよう祈ります。
(編集:王淑卿)