今週は、台湾のスイート教主、シンディー・ワンの歌声をお楽しみいただきましょう。シンディー・ワンの2005年のアルバム『Honey』に収録されている歌「飛吧」をお送りいたします。
「飛吧」は、「飛んで」という意味です。この歌は、早く一人前の大人になることを願う子供が独り立ちできるようになるまでのことを、おとぎ話のような口調で描いています。
親元を離れた子供は、よく糸の切れた凧に譬えられています。凧は空の広さを知らないけれど、自分の能力を証明したいがために意地になって、立ち止まることなく、ひたすらに空へと飛んでいきました。母親はそんな子供に向けて、「暗闇が怖い時は、星々があなたを家まで連れて帰るだろう。涙を流した時は、お母さんが家であなたの帰りを待っている。だから、思う存分飛んでいって」と、優しくその背中を押しました。シンディー・ワンによる「飛んで」は、心が疲れた時にとてもおすすめする一曲です。
この歌の原曲は、沖縄の女性歌手、古謝美佐子の歌「童神」です。2001年、NHKのテレビドラマ『ちゅらさん』の挿入歌として使われたことで知られ、2019年の日本の映画『洗骨』のテーマソングでもあります。生まれたての我が子に祝福を送り、寝つかせる子守唄です。
(編集:曽輿婷/王淑卿)