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馬場克樹の「とっても台湾」-2022-11-6_我が心の台湾ポップス①

  • 06 November, 2022
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<第1セクション:上海留学時に台湾ポップスでテレビのコンテストに出演>

  • 自分は1986~1988年に上海に留学していた。自分が初めて台湾のポップスに触れたのはこの時代の上海でだった。留学した当初の1年間は、台湾では戒厳令が敷かれていた時代だった。その頃は表向きは台湾の音楽を聴くのも、公共放送で流すのも禁止されていた。しかし、市民はどこからか入手した海賊版のカセットテープでテレサ・テンをはじめ、当時の台湾の流行歌をこっそり聴いていた。
  • 1987年の初夏だった。「外国人による中国語の歌のコンテスト」というテレビ番組があり、応募してみたところ、予選を勝ち抜いて上海地区代表として全国大会に出場することとなった。このコンテストで私が選曲したのは、テレサ・テンさんの超マイナー曲だが、とっても爽やかな三拍子の「軽風(そよ風)」という歌だった。全国大会では第2位に当たる「金竹賞」を受賞した。

<第2セクション:台湾の放送禁止楽曲を上海で聴く>

  • コンテストに出演したのと、ちょうど同じ頃、立て続けに台湾の流行歌を聴いた。繰り返し聴いたのは、台湾では「校園民歌(キャンパス・フォーク)」として分類されるようだが、どこか切なく懐かしいメロディにの『橄欖樹』。天から降り注ぐような透き通った歌声の持ち主の齊豫さんによって歌われた。
  • 『橄欖樹』の歌詞に出てくる「……不要問我從哪裏來,我的故鄉在遠方……」の「遠方」が中国大陸を想起させるという理由で、当時は台湾の当局から放送禁止処分を受けている。それでも、この曲は台湾や香港で圧倒的な人気を博し、香港の第2回「十大中国金曲」に選出されているほか、その後、費玉清さん、孫燕姿さん、元ソーダグリーンの呉青峰さんなど、様々なアーティストにもカバーされている。

<第3セクション:ジュリー・スーの歌声に身震い>

  • 当時上海で聴いた台湾の楽曲でもっとも衝撃的だったのは、蘇芮(ジュリー・スー)さんが歌った『酒矸倘賣無』だ。とにかく声のパワーがすごい。身震いするほどの強い衝撃を受けた声に魅せられて一気にファンとなった。この「酒矸倘賣無」は、日本語にすれば「空き瓶はありませんか?」という廃品回収業者が街を回りながら住民に呼びかける掛け声、呼び込みのフレーズだった。この曲は1983年の台湾映画『搭錯車(乗り違えた車)』の主題歌。そのドラマのストーリーに合わせて作られた楽曲だった。
  • この曲は作詞が「校園民歌(キャンパス・フォーク)」の騎手にして『龍的傳人』の侯德健さんと『鹿港小鎮』の羅大佑さんの共作、作曲は侯德健さん。『酒矸倘賣無』は1回聴いたら忘れられないメロディーと歌詞。サビもそうだが、私は「沒有天哪有地,沒有地哪有家,沒有家哪有你,沒有你哪有我(天が無ければ地はない、地が無ければ家は無い、家が無ければあなたはいない、あなたがいなければ私はいない)」というBメロの歌詞も感銘を受けた。

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