今日ご紹介するキーワードは「萬安演習」。
これは、台湾で毎年行われている訓練の事です。
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この「萬安演習」とは、台湾で毎年行われている「防空演習」のこと。
1978年から行われていて、今年(2022年)は、今週の月曜日(7/25)から、今日(7/28)にかけてエリアごとに分けて行われました。なお、今年は45回目だったことから「萬安45號演習」と呼ばれています。
毎年、この「萬安演習」では予告された時間に、“国家レベルの警報”としてサイレンが鳴り、それを合図に、車両は付近の安全な場所で停車、人々は建物の中に入り、そこから出てはいけません。これは30分間続き、違反すると罰金が科せられます。
メトロは通常通り利用できますが、演習の時間中は、駅に入って電車で移動することはできますが、降りた後、駅から出ることはできず、退避エリアで演習終了まで待たなくてはなりません。
そして、停車しなければならない車両には、バスやタクシーなどの交通機関も含まれます。そのため、ちょうど演習のタイミングでバスやタクシーに乗ってしまうと、サイレンが鳴ったタイミングで路肩など安全な場所に停車し、更には移動ができないため降りることもできなくなってしまうことから、その場で30分過ごすことになります。
タクシーで運転手さんと2人でぼーっと過ごすことになったら何だか気まずいですよね…。ですので、タクシーの運転手さんも演習の時間が近くなると早めに休憩に入ったりするようです。
このように“演習”と聞くと物々しい雰囲気をイメージしますが、30分、動けなくなるものの、辺りは静まり返り、どこかのんびりとした時間が流れていました。
しかし、今年は少し様子が違いました。
今年は、台北市全域と、台中市の南屯區豐樂里、台南市の永康區東橋里のそれぞれ1つの地域では、「車両を停車させる」だけでなく、さらに「乗っている人を避難させる」という訓練も行われました。
これは、「戦時状況」を想定した訓練ということで、将来的には実施効果に応じて年単位で拡大していく予定だそうです。
それだけ危機感が高まっているということなのでしょうか…
訓練を真剣にやるということはとても大切なことですが、あくまで“訓練”で終わって、実際に“必要な状況”にならないことを願いたいです。
なお、この「萬安演習」は、旅行客も従わなくてはなりませんので、今後、台湾を訪れた際にちょうどこの「防空演習」のタイミングに重なったときはちゃんと指示に従って行動してくださいね。