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GO GO台湾 - 2022-02-12_高雄(愛河灣エリア&衛武營エリア)

  • 12 February, 2022

トーク①:台灣燈會@高雄&高雄流行音樂中心(愛河灣)≫

春節(旧正月)の連休が明け、オフィスにも人が戻ってきた台湾ですが、まだお正月の雰囲気満載です!というのも、台湾では、旧暦の1月15日、「元宵節」のランタンフェスティバルが行われているからです。

この「元宵節」のランタンフェスティバルは、様々ないわれがあって、金曜日の「文化の台湾」の時間にもご紹介しましたが、道教の最高神である玉皇大帝が大切にしていた天鵞(白鳥)が地上で誤って殺されてしまったことで玉皇大帝の怒りを買い、旧暦の1月15日に地上が焼き払われそうになるのですが、それを知った心優しき玉皇大帝の娘が、何の罪もない人々が苦しむのは見ていられないと、旧正月の14日から16日の3日間、赤い提灯(ランタン)を吊るし、爆竹を鳴らすなどしてまるで地上が燃えているかのように見せることで難を逃れることができると伝え、無事に焼き払われずに済んだことから、毎年旧正月の15日には提灯(ランタン)を吊るし、明かりをともす習慣ができたんだそうです。

そしてそれが今、「ランタンフェスティバル」として受け継がれています。

中でも最も大規模なランタンフェスティバルが、政府主催の「台灣燈會(台湾ランタンフェスティバル)」。

かつて毎年「元宵節」になると、台北の北投關渡宮、松山慈祐宮、萬華青山宮、そして龍山寺と言った主要な廟で「花燈(飾りランタン)」が展示されていました。

ただ、人々はこの「花燈」を見るためにそれぞれの廟を巡らなくてはいけませんでした。そこで1989年、当時の交通部長だった張建邦・部長が、「毎年、元宵節に各地の廟で行われている花燈を一か所に集めて、市民が楽しみやすくすべきだ」として、当時の交通部観光局の毛治國・局長に“ランタンフェスティバル”開催を指示したんだそうです。

そして1990年、官民が一緒になって、大型のランタンフェスティバルを行いました。

初期段階「台北ランタンフェスティバル」の名で毎年「中正紀念堂」で行われていましたが、2001年からは、台湾各地を巡回して行われるようになり、「台湾ランタンフェスティバル」として、その土地ならではの風情、音楽と、飾り提灯(ランタン)との組み合わせが次第に大きな特徴となっています。

そんな「台湾ランタンフェスティバル」、今年は台湾南部・高雄市が担当。高雄での開催は、初めて台北以外で行われた2001年とその翌年2002年以来、20年ぶり3回目です。

今回は、愛河灣と衛武營の2か所をメイン会場として行われています。

2001年、2002年も、高雄市が担当したときは、高雄市内の最大の川、愛河周辺で行われたのですが、20年ぶりですので、周辺の景色はガラッと変わっています。

今回のメイン会場のひとつ「愛河灣」は、高雄市の中心を貫くように流れる愛河が海に流れ出す愛河河口と高雄港が交わる場所にあって、そこには昨年(2021年)に正式にオープンした新たな音楽ホール「高雄流行音樂中心(高雄ミュージックセンター)」があります。

とても独特な形をした建物で、遠くからでも目を引くので、周辺の景色は、以前の高雄港の雰囲気とがらりと変わっていますよ。

「高雄流行音樂中心」は、総敷地面積およそ12ヘクタール。高雄港の11番から15番ふ頭にかけての場所に建っています。

建物はスペインの建築家によるデザインで、メインは “波”をモチーフにした六角形デザインの7階建てと11階建ての2つの建物からなる大型コンサート会場「音浪塔(サウンド・ウエーブ・タワー)」。波が打ちあがったようなデザインで遠くからもとても目立ちます。

今回の「台湾ランタンフェスティバル」ではこの特徴的な建物も生かして、その壁面に大きな映像を映し出していますよ。

そして、6つの小型ライブハウスが並ぶ「鯨魚堤岸(クジラ堤防)」、複合商業エリア「珊瑚礁群」と呼ばれるスポットがあり、そのほかに「海豚歩道(イルカ歩道)」や、8000人から1万人収容可能な屋外ステージ「海風広場」などもあって、敷地内ではマーケットなどのイベントも行われているので、音楽施設としてだけでなく、市民の憩いの場として楽しめるスペースとなっています。

また、この高雄港と言えば、かつて高雄港の倉庫として使われていた建物たちをリノベーションしてアートスペースとして活用している「駁二藝術特區(THE PIER-2/駁二アートセンター)」や、一昨年(2020年)の夏に完成した、旋回橋「高雄港大港橋(Great Harbor Bridge)」もあります。

この2年でこの高雄港付近は本当に大きく変わっているので、ぜひ旅行が解禁になりましたら足を運んでみてくださいね。

なお、とにかく敷地が広く、建物も大きいので、あちこち見て回ろうと思うと結構歩きます。ですので、体力と時間にゆとりをもって出かけてくださいね。

「高雄流行音樂中心」までのアクセスは、在来線台湾鉄道「高雄」駅下車、高雄メトロ(MRT)オレンジラインに乗り換えて、「鹽埕埔」駅下車、徒歩10分。もしくは、「高雄」駅まで行かず、3つ手前の「美術館」駅で降りて、高雄ライトレールに乗り換えたらすぐ近くまで行けますよ。「真愛碼頭」駅が一番近いと思いますが、「駁二蓬萊」駅で降りて、「駁二藝術特區」→「高雄港大港橋」→「高雄流行音樂中心」の順に巡ってもいいかもしれません。

トーク②:衛武營國家藝術文化中心≫

そして、今回の「台湾ランタンフェスティバル」のもう一つのメイン会場、「衛武營」。

このエリアは、愛河や高雄港からも離れた内陸部で、これまで“観光スポット”という場所ではなかったので、聞いたことないという人も多いと思います。ここは、かつて軍営地で、高雄市の中心にありながら高い壁に囲まれ、人々にとって謎の多い立ち入り禁止区域だったそうです。そんな総面積は67ヘクタールにも及ぶ広い土地を、軍が移転後、そのうちの47ヘクタールを高雄市が公園に生まれ変わらせました。

大きな「衛武營都會公園」には、子供が遊べる遊具エリアはもちろん、昔から残る三連の建物や、かつての新兵の訓練場と給水塔を改装して、全体を見渡せる展望エリアを作っていたり、湖があったり、草原エリアがあったりします。中央の開放されている芝生エリアでは走り回ったり、ピクニックや凧揚げをしたりと、自由に楽しむことができるので、休日になると多くの親子連れでにぎわいます。

台北では、「大安森林公園」が“台北の肺”と呼ばれていますが、高雄では最近、この「衛武營」が、“都市の空気を浄化する緑の「肺」”、“都会のオアシス”と呼ばれているようです。

そして、その一角、敷地の北側に、2018年、台湾最大規模の文化施設「衛武營國家藝術文化中心(衛武營ナショナル・アート・カルチャー・センター)」ができました。

総敷地面積は9.9ヘクタール、そのうち建物は3.3ヘクタール。“音の波”をイメージした白い波のような形が特徴で、衛武營のガジュマルの樹からインスピレーションを得たデザインとなっているそうです。

ちなみに、その建物は世界最大の単一屋根の大きさの総合劇場だとされています。

中には、オペラハウス、コンサートホール、劇場、舞台芸術場の4つの室内ホールがあって、それぞれ、館内の雰囲気も異なります。中でもコンサートホールは、シートも床も壁も天井も全て優しい木の色。そしてそこには、アジア最大となるパイプ数9,085本のパイプオルガンが設置されています。

台北市の「國家表演藝術中心 國家兩廳院(ナショナルシアター&コンサートホール)」、そして台中市の「台中国家歌劇院(ナショナル台中シアター)」に次いで3つ目、そして台湾南部では初の国立ホールです。

ぜひ機会があれば、コンサートや演劇を観に足を運んでみてください。そして、コンサート鑑賞や演劇鑑賞が目的でなくとも、この「衛武營國家藝術文化中心」と、公園でゆっくりとした時間を楽しむのもいいと思いますよ。

「衛武營國家藝術文化中心」までのアクセスは、高雄メトロ(MRT)オレンジライン「衛武營」駅下車、すぐです。

トーク③:衛武迷迷村≫

衛武營の駅を挟んで「衛武營國家藝術文化中心」の反対側に、最近、フォトスポットとして注目を集めている場所があります。

その場所は「衛武營彩繪社區(衛武營アートエリア(通称:衛武迷迷村(衛武ミミ・ビレッジ))」。

元々は、普通の古い住宅エリアだったそうですが、2016年に「高雄苓雅國際街頭藝術節(ストリートアートフェスティバル)」が行われるようになり、世界各国からアーティストを招いて、古い建物に巨大な壁画を描いたりしていて、街全体がとってもカラフルでかわいいんです。

この「高雄苓雅國際街頭藝術節」は2021年まで毎年開催されていて、現在、累計24の国からアーティストを招き、国内外の50名以上のアーティストたちが参加し、135のウォールアートが描かれています。

もちろん、フェスティバルが終わっても残されているので、いつ行ってもカラフルな街並みが楽しめますよ。

例えば、3階建ての建物の壁面、一面全部を、3段の本棚に見立てて、たくさんの本が並んでいる様子を描いたウォールアートがあったり、まるで海の中にいるかのように魚がたくさん描かれているアパートがあったり。また絵だけでなく、通りにカラフルなオブジェがあったり、通りの上にカラフルな布が張られていて一つの作品となっていたりと、歩いているだけでわくわくするような、カラフルでポップな街となっています。もちろん、そこに普通に人々も生活していて、ウォールアートされているアパートのベランダには普通に洗濯物が干してあったりと、日常とアートが一緒になっているのも面白いですよ。

街のいたるところにフォトスポットがあるので、写真を撮り飽きません。

ぜひ衛武營まで行ったら、この「衛武迷迷村」にも足を運んでみてくださいね。

「衛武迷迷村」までのアクセスは、高雄メトロ(MRT)オレンジラインの「衛武營」駅下車。「衛武營國家藝術文化中心」側とは逆側の5番出口を出てすぐです。

今、「台湾ランタンフェスティバル」で盛り上がっている高雄、残念ながらこの「台湾ランタンフェスティバル」の期間に旅行で訪れることはできませんが、ここ数年で街がどんどん変わっていますので、また旅行が解禁になりましたらぜひ足を運んでみてくださいね。

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