≪トーク①:台湾版コキアスポット①彰化・田尾郷の「建華芙蓉園」≫
台北もようやく秋らしく肌寒くなってきました。…と思ったら、昨日金曜日は日中30℃まで上がり、かと思ったら、来週は最高気温が20℃までしか上がらない予報…と、気温差に振り回されています。日本の今の気候はいかがですか?
日本ではここ数年、秋になると“コキア”のスポットが人気となりますよね。和名は“ホウキグサ”と言って、昔はこの茎を乾燥させてほうきを作っていたもので、1年草ですが、まん丸とした球状のコキアが秋になると真っ赤に色づく姿が人気となっています。
特に、茨城県にある「ひたち海浜公園」のコキアは台湾の人たちの間でも有名で、新型コロナで旅行に行けなくなる前には、コキアが赤く染まるシーズンに合わせて日本に旅行に行っていたなんて人も少なくありません。でも、今は新型コロナの影響で“コキア”を観に行くことができません。
そこで今、台湾で“台湾版コキアスポット”と呼ばれる場所が注目を集めています。
注目を集めているスポットは2か所あるんですが、有名なのは、台湾中部・彰化の田尾郷というところにある「建華芙蓉園」というところが“台湾版コキアスポット”として有名な場所。
実は“コキア”ではなく“木百香(モクビャッコウ)”の樹なんですが、1000坪以上の広い土地に、きれいに剪定された丸々コロコロとした形の樹がずらりと並んでいることからかわいいと人気なんです。昨年(2020年)に人気に火が付きました!
しかも、緑がかった白色をしていて、その姿が、“まるで雪が降ったかのようだ”として「白いコキア」と呼ばれています。
私個人的には、“雪が降った…”というよりも、“畑のブロッコリー”をイメージしてしまいましたが(笑)、時期や光の加減によって本当に緑の樹の上にうっすら雪が積もったかのようにも見えたりして、人気のフォトスポットとなっていますよ。
鉢植えの状態できれいに並べられているので、その間に入って“白いコキア”に包まれたような写真を撮ることもできます。
ただ、毎日開放しているわけではありません。
現在は、休日のみ開放していて、平日は先に予約をしないと入園できません。なお入園の際には維持清掃費として1人50台湾元(日本円およそ200円)が必要となります。ちなみに入園料を払うと、ミネラルウォーター1本がついてきます。
なお、公共の交通機関は近くにありませんので、在来線台湾鉄道「彰化」駅からタクシーで行くことをおすすめします。ただ、グーグルマップなどで「建華芙蓉園」と入れてもヒットしません。ですので、タクシーの運転手さんに住所を伝えてくださいね。住所は彰化縣田尾鄉彰141鄉道です。
近くまで来ると案内の看板が出てきます。「彰化」駅からタクシーでおよそ20分弱で到着します。
≪トーク②:台湾版コキアスポット②国立故宮博物院南院≫
そしてもう1か所、人気を集めている“台湾版コキアスポット”は、台湾南部・嘉義県にある国立故宮博物院南院のすぐわき。国立故宮博物院南院の建物のすぐ横に“台湾版コキアスポット”があります。
ここも植わっているのは実際には“コキア”ではないそうですが、人工的に剪定した姿が“コキア”に似ているという事で、“台湾版コキアスポット”と呼ばれているそうです。
実際の“コキア”ではないので、秋だからと言って赤く染まったりしないのですが、緑色のコロコロした、高さ30~40センチの丸い草がたくさん並んでいるスポットは、とても可愛らしく、写真映えするとして、プロのモデルやカメラマンなども撮影に訪れる人気のスポットとなっています。
場所は、国立故宮博物院南院のすぐそば。
ちなみに、この“台湾版コキアスポット”だけでなく、国立故宮博物院南院のすぐ周りには様々なフォトスポットがあります。
故宮南院を代表する展示品のうち、最も人気のある戦国時代の牛の形をした青銅器「犧尊」の形に剪定された樹もあって、こちらも人気のフォトスポットとなっています。
また、このほかにも、国立故宮博物院南院の建物のすぐわきには、砂場エリアや、噴水エリアなどもあるので、館内で収蔵品を楽しむだけでなく、ぜひ外でも楽しんでくださいね。
“台湾版コキアスポット”としても人気を集めている、国立故宮博物院南院までのアクセスは、台湾新幹線こと台湾高速鉄道「嘉義」駅下車。
2番出口から出たところから無料のシャトルバスが出ています。
時間は1日10往復。高鐵「嘉義」駅から故宮博物院南院へは朝8時45分発から1時間おきに出ていて、夕方17時25分発が最終となります。
それ以外でも無料ではありませんが、バス高速輸送システム「BRT」の7212番や、市内バス106番、166番、168番などに乗っていくこともできますよ。どのバスも、「故宮南院」バス停下車です。
≪トーク③:台湾版コキアスポット③新港大慶製香廠≫
台湾にも“台湾版コキアスポット”があって人気となっていますが、実際には“コキア”ではないので、真っ赤に染まることがありません。やっぱり真っ赤に染まった“コキア”で秋を感じたいなぁ~と思っていたら、先日、一面真っ赤に染まった、新たな“台湾版コキアスポット”が紹介され、大注目となっています。
その場所は、台湾南部・嘉義県の新港エリアにあります。
びっくりするくらいに鮮やかな赤色で、きれいに整った丸いフォルムが幻想的な世界を作り出していて、台湾の各種メディアをはじめ多くの人が訪れています。
…と、実はここも“コキア”ではないんです。というか、植物でもないんです。実はこれ、廟でお参りをするときなどに使う、あの長い“お線香”がならんでいるんです。
この新港エリアはその拜拜(お参り)用の“お線香”作りで有名な場所。ここで様々なお線香が作られているのですが、その新港エリアで100年近く“お線香”の製造に携わっている新港大慶製香廠(新港大慶線香製造工場)が製造過程の中でちょっとしたアイデアをやってみたところ、大注目スポットとなったんです。
ここでは、伝統的な工法にこだわり、天然で無公害の材料を使用し、沈香と白檀を加えた独自のレシピで手作業にこだわって作っているのですが、台湾で拜拜(お参り)をしたことある方はご存じかと思いますが、お参り用の長いお線香は持ち手の部分が赤くなっていますよね。
あの部分を赤く染めた後、乾かすときに、かつてはスペースがなかったことから、たくさんの線香を一つに束ねて、それをお化粧のパウダーパフのように丸く広げて立てて乾かしていたんだそうです。
そんな伝統的な方法と、現代的な美しさとを組み合わせることで、“お線香”の文化を知ってもらおうと考えたのが始まりだそうで、束ねたお線香を赤く染めた部分を上にして乾きやすいようにまんべんなく広げてならべると、その様子はまさに“真っ赤なコキア畑”そのもの!いや、本物よりも色鮮やかで、目を引きます!
しかもここは観光工場のように一般の人が訪れること前提の工場ではなく、一般の小さな工場なのですが、“お線香”を踏まないように気を付けてねという条件のもと、訪れた人々も自由に写真を撮っていいように開放してくれています。
そしてその“お線香”を乾かすために並べてある“台湾版コキア畑”は、工場の庭のスペースにあって、その敷地を囲む塀は赤レンガの塀と緑の生垣で、その雰囲気もいいんです。
本物の“コキアスポット”ではありませんが、ここも“台湾版コキアスポット”としてこれからも人気の観光スポットになりそうです。
ただし、平日は仕事量や天候に応じての開放となっているようですので、行くまえに工場のFacebookページで開放時間を確認する必要があります。現在のところ週末のみの開放となっている場合が多いようです。今は日本から訪れることはできませんが、ぜひ「新港大慶製香廠」と入力してFacebookページで写真を見てみてください。
びっくりするほど鮮やかな“真っ赤なコキア”のような“お線香”が広がっていますよ。新たに注目を集めている観光スポット。本物の“真っ赤なコキア”は秋限定ですが、ここは年中楽しめそうです。また、最近では、持ち手の部分が“緑”の“お線香”も作って、同様に束ねた後、丸く広げて並べ、“緑のコキア畑”もできているようですよ。
新港大慶製香廠までのアクセスは、在来線台湾鉄道「嘉義」駅から7201番のバスに乗って「後莊路口」バス停下車、徒歩およそ3分です。
なお、この新港エリアは、伝統的な“お線香”作りで有名な町で、この新港大慶製香廠から40分ほど歩いたところには「新港香藝文化園區(新港香芸カルチャーパーク)」があります。
ここでは、文化の“お線香”、生活の“お線香”、芸術品としての“お線香”など…“お線香”に関する様々な展示や紹介がされていて、世界各国の様々な宗教における“お線香”の歴史を様々な角度から学び、“お線香”の原料や素材を見ることができて、“お線香”の文化や芸術をより深く知ることができますよ。
こちらは“お線香”に関することを紹介する文化館の他に、レストランエリアがあったり、鯉の池や花畑などのガーデンがあったり、手作りお線香のDIY体験をやっていたりしますので、こちらにもぜひ足を運んでみてくださいね。
「新港香藝文化園區」までのアクセスは、先ほどご紹介した新たに注目されている“台湾版コキアスポット”の新港大慶製香廠から台湾鉄道「嘉義」駅方向へ徒歩およそ40分、もしくは「嘉義」駅からですと、同じく7201番のバスに乗って「菜公村」バス停下車、徒歩5分です。
どのスポットも実は本物の“コキア”のスポットではありませんが(笑)、“台湾版コキアスポット”はそれはそれで、それぞれに魅力的なフォトスポットですよ。
ぜひコロナが明けたら足を運んでみてくださいね。