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Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送台湾ミニ百科(2021-10-13)双十国慶節の鳥「灰面鵟鷹(サシバ)」

  • 13 October, 2021
台湾ミニ百科
(写真:北海岸国家風景管理処提供、CNA)

中華民国台湾の建国記念日、双十国慶節は先週、10月10日に迎えました。双十国慶節は過ぎましたが、「国慶鳥(国慶節の鳥)」と呼ばれる鳥が、最近バードウォッチャーの間で話題となっています。

1. 「国慶鳥」とは?

「国慶鳥」の正式名称は、「灰面鵟鷹」という、一種の中型の鷹です。直訳しますと「灰色の顔の鷹」という意味です。その全身は赤みがかかった茶色をし、灰色の頬に白い眉、黒いくちばしをしています。日本語では「サシバ」、または別名の「大扇(おおおうぎ)」とも呼ばれています。

サシバは主に日本、中国の東北地方、韓国、シベリアなどの地域で繁殖し、毎年の冬には、北から、マレーシア、フィリピン、インドなどの東南アジアの地域に渡り、冬を越します。その途中のおよそ9月上旬から10月下旬にかけての2ヶ月間には、台湾東部の海岸線と、台湾を南北に貫く山脈、中央山脈の西側に沿って、台湾の最南端、屏東県の満州郷に一旦集まって、羽を休ませてから、再び南へ向かって飛び立ちます。サシバが台湾の屏東県を経過する時は、ちょうど毎年の10月上旬から中旬にかけての20日間、つまり10月10日の双十国慶節の前後ですから、野鳥の愛好家はサシバを守るため、サシバに「国慶鳥(国慶節の鳥)」というニックネームをつけることで、台湾人がサシバに対する関心を高めています。

台湾を訪れるサシバの数は、多い時に1日で6万羽を超えますので、毎年の秋頃に台湾を渡るサシバを観賞するのが、台湾のバードウォッチャーの間の一大イベントとなっています。台湾南部・屏東県でも、サシバの渡来に応じて、一連のバードウォッチング・イベントを開催します。

2. 六種類のニックネームのある鳥

「国慶節の鳥」のほかにも、サシバはその特性と地域によって、違うニックネームがあります。例えば、サシバが毎年の秋頃に台湾にやってきた時は、台湾の中央山脈を越えて、台湾南部・屏東県の満州郷へ入りますので、山の後ろから飛んできた鳥「山後鳥」とも呼ばれています。

それから、サシバは、冬を過ぎて、その翌年の春に北へ戻る時も、台湾を通り過ぎます。サシバは、およそ3月と4月に、屏東県の墾丁から台湾に入り、台湾の西側の海岸線を沿って北上し、台湾中部・彰化県の八卦山で一休みをしてから、台湾の北西部・新竹から台湾を離れます。中部・彰化県の県民はサシバのことを、南からきた鷹、という意味合いで「南路鷹」と呼びます。

また、サシバが春に台湾にやってくる時期、3月と4月は、ちょうど中華圏の3大節句の一つ、漢民族のお墓参りの日「清明節」のあたりですから、「清明鳥(清明節の鳥)」、または「掃墓鳥(お墓参りの鳥)」とも呼ばれています。

彰化県と同じ、台湾中部に位置する、台中市大甲区の住民にとって、サシバは、まるで大甲区に建てられてある、明の武将・鄭成功の廟を毎年熱心にお参りにしてきた鄭成功の元部下のようですから、サシバのことを「国姓鳥」と呼んでいます。国姓鳥の「国姓」は、鄭成功に対する尊称「国姓爺」のことです。

国慶節の鳥から、山の後ろからきた鳥、南からきた鳥、清明節の鳥、お墓参りの鳥、最後に国姓爺・鄭成功の鳥…同じサシバなのに、六種類ものニックネームがある鳥は、なかなかいないでしょう。このニックネームの多さから、サシバが台湾でかなり親しまれていることが見られます。

3. 台湾の民間におけるサシバの物語

台湾の民間伝承にも、サシバに関する話しが多くあります。たとえば、サシバは、毎年のお墓参りの日「清明節」のあたりには、必ず台湾を通りますので、お年寄りが、清明節にも関わらず実家に帰らない若者を叱る時は、「サシバですら先祖を敬う大切さを知っているのに」と、サシバを例に使います。

それから、まだ環境保護という認識が広まっていない昔、サシバは、貧しい生活をする人々にとって、タンパク質を摂取するのに重要な食料です。人々はサシバを大量に狩るため、昔は「南路鷹、一萬死九千」、「南からきた鷹、1万羽のうち9000羽が死ぬ」ということわざもあります。そのせいで、台湾に渡来したサシバの数は、一時期激減していたそうですが、近年は環境保護意識の普及により、少しずつ数が増えてきています。

 

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