≪トーク①:7/13から一部規制緩和された台湾≫
台湾は今、新型コロナの防疫警戒レベル3級が延長されていて、自粛生活が続いていますが、徐々に感染者数も減ってきていることから、今週火曜日(7/13)から、一部規制が緩和されました。
先週のこの番組でもちらっと紹介しましたが、屋外は“国立公園”にあたる「国家公園」や「国家風景区」、「遊園地」、「レジャー農場」や「森林レジャーエリア」、「植物園」、「クリエイティブパーク」といった場所、屋内では「美術館」や「博物館」、「映画館」、「文化センター」などが、条件付き緩和の対象となりました。
そして、飲食店においては、台湾の新型コロナウイルス感染症対策本部である中央指揮センターは、「指揮センターのガイドラインに合致すれば店内での飲食が可能」としたのですが、離島の澎湖県を除き、全ての地方自治体がまだ禁止とする判断を下しています。唯一、防疫ガイドラインに沿ったうえでチェックに合格した飲食店の店内飲食を認めるとしている澎湖県でも、まだ数店舗しか合格していません。
警戒レベルが3級になってから、これまでデリバリーやテイクアウトに対応していなかったお店も対応するように切り替えたところが多くありますが、屋台や小さなお店などは、人出も少ないしもう休みにしてしまおうと、お休みしている店舗も少なくありません。
夜市などは特に、新型コロナで海外からの観光客が来られなくなって人が減り、域内感染が広がった際には多くの夜市が営業停止となり、それが明けても、台湾内で防疫対策として多くの人が自粛生活をしているため人が減り…と、これまでの賑わいからは想像できないほどに閑散としています。
外食文化の台湾では夜市は生活の一部でもありますが、新型コロナによって「自炊が安全だ!」と自炊をする人も増えているそうで、今だけでなく、コロナ後も夜市などに影響が出てくるのか気になるところです。
今はまだ感染状況が収束しておらず、警戒レベルも3級の中、いきなり人出が増えてしまうと心配なのですが、コロナ後にはまた賑やかな夜市が戻ってきて欲しいなと思います。
≪トーク②:台北最大の夜市「士林夜市」≫
ところで、夜市といえば観光ガイドブックにも特集が組んであったりして、観光スポットにもなっていますが、皆さんは台北市内にいくつ夜市があるか知っていますか??
“商圏”と呼ばれる商店街を含む広い意味で“夜市”とされているのは、18か所あります。(私は半分しかわかりませんでした…)
その18か所とは、士林夜市、華西街夜市、艋舺夜市、饒河街觀光夜市、公館夜市、南機場觀光夜市、師大商圈、臨江街觀光夜市、寧夏夜市、大龍街夜市、延三夜市、景美夜市、雙城街夜市、遼寧街夜市、石牌夜市、林口街夜市、737夜市、大義夜市、この18か所。
皆さんはどこの夜市に行かれたことありますか?全部行ったことある!という方もいらっしゃいますか??
先日、ネットでも「台北市はこんなに多くの夜市がいるのか?」という話題が上がっていました。でもやっぱり人口がギュッと台北市に密集しているから、必要だし、商売も成り立つのでしょうね。
そんなたくさんある台北の夜市の中から、まず、初めて台湾の夜市を訪れるならココ!というおススメの夜市が「士林夜市」。台北市の北西部・士林区にある、台北で最大規模の夜市です。
ここの特徴は何と言っても、広くて、何でもある!
美食の屋台はもちろん、フルーツの屋台、ドリンクスタンド、また夜市でおなじみのゲームコーナーや、エビ釣り、包丁マッサージや足つぼマッサージのお店、また屋台だけでなく路面店も充実。洋服や靴、アクセサリー、雑貨、日用品、家具やペット用品まで様々なお店が軒を連ねています。
しかもこの士林夜市の周辺には銘傳大學、東吳大學、士林高級商業職業學校など、学校が多いことから、夕方5時~6時頃になると授業を終えた学生たちでにぎわいます。
そんな「士林夜市」の名物といえば、有名なのが、陽明戲院(陽明劇場)の前に屋台を出す、鮮やかな水色の看板が目印の「士林 豪大大雞排」。顔の大きさくらいある大きな鶏のから揚げ!その大きさはインパクト抜群ですが、大きさ売りだけかと思いきや、揚げたてのお肉は柔らかくてジューシーで美味しいですよ。
ただ、本当にボリュームがあるので、食べきれないかもしれませんし、もし食べきれても、せっかく美食が集まる夜市に来ているのにこれだけでお腹いっぱいになってはもったいないので、友達とシェアして楽しむのがいいかもしれません。
今は、若者の町「西門町」などに店舗を構えていますが、この士林夜市の屋台が創始店なんだそうです。
定番とされていますが、行列のできる人気のお店ですので、探してみてくださいね。
でも士林夜市に来たら“5大おススメB級グルメ”をおさえておきましょう!この“5大おススメB級グルメ”とは、「大餅包小餅)」、「燴炒花枝羹」、「檸檬愛玉」、「士林大香腸」、「藥燉排骨」の5つ。
「大餅包小餅」は、小麦粉を練ってクレープ状に焼いた“大餅”に、カリカリに揚げた酥餅と呼ばれる“小餅”を砕いて乗せ、そこに肉鬆(豚肉のでんぶ)を加えて巻いた食べもの。
元々は、お隣同士で商売をしていた“大餅”屋さんと、“小餅”屋さんが、ふとしたきっかけで「“大餅”で“小餅”を巻いてみたらどうだろう?」とコラボレーションしたところ大人気となり誕生したんだそうです。おやつのような感覚で食べられますよ。
そして「燴炒花枝羹」は、“花”、“枝”で「イカ」のことで、これは「炒めたイカのあんかけスープ」。もちろん、イカだけでなく、きくらげや筍、シイタケなどお店によっていろんな具材も入ったスープです。
「檸檬愛玉」は、ご存知の方も多いでしょう。“愛玉ゼリー”にレモンシロップをかけたもの。夏におススメのすっきりデザートです。
「士林大香腸(士林ジャンボソーセージ)」は、大きな腸詰。その名の通り、ホットドッグサイズよりもう少し大きいでしょうか、結構どっしりとしていますが、意外とぺろりと食べられます。
そして、「藥燉排骨」は、「薬膳ポークリブスープ」。見た目は真っ黒のスープで初めて見るとちょっとびっくりしますが、様々な漢方食材で煮込んだ健康スープです。
もうこの“5大おススメB級グルメ”だけでもお腹がパンパンに!胃袋がもう一つ、二つ欲しい!と思うと思いますよ。
夜市がどんなものが見たい!夜市の熱気を楽しみたい!いろんな美食を食べ歩きたい!という人、みんなにおススメの夜市です。しかも夜中の2時頃までやっていますので、ゆっくりと楽しめますよ!
「士林夜市」へのアクセスは、台北新交通システムMRT(台北メトロ)レッドラインで「劍潭」駅下車、1番出口を出ると左手正面に賑わっているエリアが見えます。駅前ですし、多くの人が向かっているので、すぐわかると思います。
≪トーク③:“美食夜市”「寧夏夜市」 と「饒河夜市」 ≫
美味しいもの楽しみたい!という人は、中でも“美食夜市”として人気の「寧夏夜市」と「饒河街夜市」がおススメです。どちらもここ数年、日本人観光客にも人気が高まっていた夜市です。
「寧夏夜市」は、MRTの中山駅から歩いて行けて、そんなに大きな規模ではない、地元の人たちが集まる夜市です。日本人観光客に人気の“月下老人”がいる「台北霞海城隍廟」からも歩いて行ける距離なので、昼間は“月下老人”にご挨拶に行って迪化街を散策して、夜はこの「寧夏夜市」で楽しむという人も多いようです。
この「寧夏夜市」は食べ物の屋台がメインの“美食夜市”!日本にも店舗がある台湾最大の魯肉飯のチェーン店、「鬍鬚長魯肉飯」もこの「寧夏夜市」が発祥なんだそうです。
そして、いつもなが~い行列ができているのが“タロイモ揚げ団子”のお店「劉芋仔」。ピンポン玉サイズの“タロイモ揚げ団子”は、ほくほくで、素朴なタロイモの味が癖になるおやつです。いつも行列で人気のお店だったのですが、2019年にミシュランガイド台北のビブグルマンに認定されてから、更に人気が高まっています。
ちょっと並ばなくてはいけないですが、並んでも食べたい一品です。アヒルの塩漬け卵が好きな人は、“アヒルの塩漬け卵の揚げ団子”もあるので、そちらもぜひ食べてみてくださいね。
この他にも、「寧夏夜市」の名物メニューといえば「蚵仔煎(牡蠣オムレツ)」。私は貝アレルギーなので食べたことはないのですが、人気のお店は行列となっています。お店がいっぱいあってどこにしたらいいかわからない…という場合は、行列を目安にするといいかもしれません。
また、パパイヤミルクが美味しい、その場で作ってくれるジューススタンド「童年木瓜牛奶」や、こちらもいつも行列ができている人気の台湾スタイルのおにぎり屋さん「慈音古早味阿婆飯糰」も忘れてはいけません。
そして、豆花やフワフワかき氷「雪花冰」のお店も色々とあります。まさに“美食夜市”!コンパクトサイズの夜市なので、まずはぐるっと全体を見て回ってお店をチェックしてから食べ歩きをしてもいいですし、何度も通って、お気に入りのお店を見つけてください。
ちなみに、私はこの「寧夏夜市」で「臭豆腐」が食べられるようになりました(笑)。
この「寧夏夜市」は清潔なのもポイント。各屋台にも厳しくチェックを行っていますし、夜市は全面禁煙。安心して歩けます。2015年には台北市内の夜市ランキングで「歩きやすい夜市」、「美食夜市」、「エコ夜市」、「魅力的な夜市」、「フレンドリーな夜市」など、様々な部門で優勝しているんですよ。
コンパクトサイズのおススメ“美食夜市”です。
「寧夏夜市」までのアクセスは、台北メトロのレッドラインとグリーンラインが通っている「中山」駅下車。1番出口から出て、西へ。三越などが見える方向とは逆向きに10分ほど歩いた先となります。
そしてもう一つの“美食夜市”「饒河街夜市」。
こちらは、台北メトロ、グリーンライン東の終着駅「松山」駅側にあります。
中華風の大きなゲートをくぐるとそこから夜市です。全長およそ600メートルの道の真ん中に屋台がずら~っと並びます。「士林夜市」と並んで“台湾の2大夜市”と言われています。通りは1本なので迷子になることはないのですが、長さがあるので、「寧夏夜市」のように“まずぐるっと全体を見てから…”と考えるとちょっと大変です。
ですので、ここでは、食べたいなというものに出会ったら、後から…なんて思わずにその時に買うのをおススメします。
大きい夜市なんですが、地元の人たちが多く訪れる夜市です。ここ数年は外国人観光客も増えていました。
日本のテレビ番組のロケは、この「饒河街夜市」より、先ほど紹介した「寧夏夜市」の方が良く見かけますが、欧米のテレビ局はこちらの「饒河街夜市」でロケをしているのをよく見かけました。
そんな「饒河街夜市」といえば、大きなゲートの足元付近にお店がある「福州世祖胡椒餅」の“胡椒餅”がおススメですよ。2018、2019年とミシュランガイド台北のビブグルマンに認定されている人気のお店です。
台湾の定番グルメ「蚵仔煎(牡蠣オムレツ)」や、「水煎包(焼き小籠包)」、「牛肉麺」、「天婦羅(“てんぷら”と呼ばれるさつま揚げ)」などのお店の他、タイ料理の屋台や、韓国料理の屋台、流行りの新しいメニューを出す屋台もたくさん見かけます。伝統的な屋台と、夏祭りの夜店のような屋台が混在した雰囲気の「饒河街夜市」。新旧の様々な美食を楽しんでください。
そして「饒河街夜市」には、臭豆腐のお店もいくつもあります。煮るタイプの“麻辣臭豆腐”のお店や揚げたタイプの臭豆腐のお店、どちらもあります。せっかくですので「饒河街夜市」に来たらチャレンジしてみてくださいね。なお、臭豆腐初心者は、揚げたタイプの方が食べやすいのでそちらからチャレンジすることをおススメします。
また「饒河街夜市」は、美食だけでなく、雑貨や洋服を売っているお店もたくさんあります。たまに臭豆腐など臭いの強いものの横で洋服を売っているお店があったりして、臭い大丈夫かなぁ…と心配になることもあります(笑)。
美食と合わせて、お買い物も楽しんでくださいね。
今日ご紹介した夜市3ヶ所はどこも地元の人たちはもちろんですが、観光夜市として多くの外国人観光客も訪れていた場所なので、今は本当に寂しくなっています。
活気あふれる夜市の風景が戻ってくるまでにはまだ時間がかかりそうですが、コロナ後、また盛り上がることを期待したいですね。