close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

台湾ソフトパワー - 2021-04-27_「THEインパクトランキング2021」台湾から35校がランクイン

  • 27 April, 2021
台湾ソフトパワー
イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標の枠組みを使って大学の社会貢献の取り組みを可視化するランキング「インパクトランキング2021」が発表され、台湾は過去最多の35校がランクイン。中でも台湾の多くの大学で「SDG3(すべての人に健康と福祉を)」での評価が高かった。(写真:国連よりRTI)

イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が4月21日、「THEインパクトランキング2021」を発表しました。これは、大学の社会貢献の取り組みを、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」の17の目標の枠組みを使って可視化するランキングで、今回が3回目となります。

このランキングには、「総合ランキング」と、SDG別(目標別)のランキングがあって、大学は自学の強みに合った目標を選んでエントリーできます。

総合ランキングに参加する場合は、「SDG17(目標17:パートナーシップで目標を達成しよう)」が必須項目で、これに加えて3つ以上のSDG(目標)についてデータを提出し、「SDG17」以外でスコアの高い3つがランキングに反映されます。

また目標別のランキングに参加する場合は、大学自身が強みとする分野のSDGを1つ以上選び、データを提出します。

今回、その「総合ランキング」で、台湾からは前回の24校を大幅に上回る過去最多の35校がランクインしました!

そして、その中で最高だったのは、台湾南部・台南市にある国立成功大学で、続いて台北市にある国立台湾大学。この2校が101位~200位の間にランクインしました。

台湾人の多くは、台湾のトップと言えば“最高学府”と呼ばれる台湾大学をイメージしますが、このランキングの中では、台湾で最も影響力がある大学は成功大学でした。

成功大学は、「SDG9(目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう)」においてランクインした680校のうち、第5位と高い評価を得ています。

そのほか、201位~300位の間に、台湾北部・新竹市にある国立精華大学、台湾南部・高雄市にある高雄医学大学、台北市の台北医学大学が。

301位~400位の間に、台湾中部・雲林の国立雲林科技大学、台湾南部・屏東の国立屏東科技大学、台北市の国立台湾科技大学、台湾中部・台中市の中国医薬大学、同じく台中市の東海大学がランクイン。

そして、台北科技大学、慈済大学、交通大学、アジア大学、中山大学、輔仁大学、中正大学、東華大学、長庚大学、台北市立大学、彰化師範大学、暨南国際大学、中興大学、南華大学、慈済科技大学が401位~600位の間にランクイン。

淡江大学、国立台北大学、逢甲大学、朝陽科技大学、国立勤益科技大学、国立高雄大学が601位~800位の間に、国立高雄科技大学、中華大学、国立中央大学が801位~1000位の間に、静宜大学が1001位以降にランクインしています。

この中でも特に注目なのが、台湾の多くの大学で「SDG3(目標3:すべての人に健康と福祉を)」での評価が高く、高雄医学大学はランクインした871校中第10位だったほか、慈済大学が32位、台北医学大学が37位、台湾大学が50位、長庚大学が64位、中国医薬大学が74位と、100位以内に6校がランクインしました。

そのうち、32位にランクインした慈済大学は仏教系の大学で、世界中の慈済グループをパートナーとし、台湾にある7つの慈済病院、世界各地にある慈済メディカルアソシエーションの医療ボランティア、慈済骨髄センターなどと積極的に医療教育とサービスを推進しています。

慈済大学の劉怡均学長は、新型コロナによって多くの人の生活が変わってしまったが、これはさらに多くの問題を考えさせられることでもある。慈済大学の教師と学生は国際的な重大な問題に直面し、社会の需要にこたえるために、学んだことを実践し、進んで立ち向かい、解決策を提案し、問題解決能力を備えたグローバル市民になっている。

また教師と学生たちは、ボランティア活動を生活の中に取り入れ、学校の外に出ても、地方や国際的な場所に行き、学んだことを活かして奉仕している。

これからの慈済大学も国連のSDGsの様々な目標に取り組み、人類の未来のため、地球の持続可能性のために共に努力していきたいと思うとコメントしています。

台湾中部・台中市にある朝陽科技大学は、「THEインパクトランキング」3年連続のランクイン。中でも「SDG10(目標10:人や国の不平等をなくそう)」においては699校のうち200位以内にランクインと、高い評価を得ました。

この他、「SDG12(目標12:作る責任 使う責任)」が503校中300位以内、「SDG4(目標4:質の高い教育をみんなに)」が966校中400位以内と、社会への影響力を表しました。

また朝陽科技大学では、USR=大学の社会的責任の推進に成功していて、台湾の時事雑誌「天下」の「USR大学公民調査」において、台湾の110の公立・私立大学のうち、技術系の私立大学と専科学校において第1位となり、大学のガバナンス、社会的関与、教育への取り組み、環境維持の4つの分野で高い評価を得て、USRの模範生となっているほか、キャンパス環境の持続可能な発展を推進していて、4年連続で「世界グリーンエネルギー大学」のトップ100にランクインしています。

近年、台湾では、得意分野や強みを生かした教育を目指す大学が増えてきています。

この「THEインパクトランキング」も、そんな各大学の強みを生かした取り組みをランキングにしているということで、従来の研究重視とはまた違ったランキングになっているのが興味深いところです。

そして、このランキングから持続可能な目標に向かって、台湾の多くの大学も立ち上がっている様子がうかがえます。

Program Host

関連のメッセージ