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文化の台湾 - 2020-08-05_台湾の父の日はなぜ8月8日?

  • 05 August, 2020
文化の台湾
父の日には台北101にも「父親節快樂」のメッセージが灯った。(写真:CNA)

≪トーク①:台湾の父の日はなぜ8月8日?≫

さて皆さん突然ですが、今週土曜日は何の日かご存知ですか?今週の土曜日、8月8日は台湾の「父の日」です。

「父の日」と言うと、日本では6月の第3日曜日ですよね。「父の日」は元々アメリカ生まれの記念日で、ワシントン州に住むドッドさんが、男でひとつで6人の子供を育ててくれた父をたたえ、当時すでに始まっていた「母の日」同様に、父親にも感謝する日を作って欲しいと牧師協会へ嘆願し、1910年に「父の日」の最初の祝典が行われたことがきっかけとされています。

その後、1916年の「父の日」の祝典でウッドロー・ウィルソン大統領が演説を行ったことをきっかけに広く知れ渡り、1972年に正式に6月の第3日曜日が「父の日」として制定されました。

そして、それが世界各地へと広がっていったため、「父の日」といえば多くの国が6月の第3日曜日です。

ではなぜ台湾は「8月8日」になったのでしょうか?「台湾の民間行事は旧暦だから父の日も旧暦とか?」…いいえ、違います。

中国語で「お父さん」は「爸爸(ba4ba)」。「8」の発音は「ba1」なので「8月8日(ba1ba1)」の発音が「爸爸(ba4ba)」と似ているということから、8月8日が「パパの日」=つまり「父の日」なったそうです。語呂合わせですね。

でも実は、その語呂合わせだけが由来ではありません。1945年、日中戦争も終わりに近づいていた頃、上海の一部の心優しい人たちが、この戦争で多くの人が父親になれずに亡くなったり、多くの家庭で父親を失ったりしていることから、「8月8日を父の日としてはどうか」と提案したことが中華民国における「父の日」の始まりとされています。

その後、中華民国が台湾に渡りますが、この「父の日」と言うのはとてもいいアイデアだと考えている人々が、政府に「父の日」と制定することを提案し、現在では8月8日が正式に台湾の「父の日」となっています。

単なる語呂合わせだけでなく、このようなエピソードがあったんですね。

なお日本で「父の日」が始まったのは1950年頃からだそうですが、認知度は低く、しかも一般に知れ渡ったのは1980年代に入ってからと言うことを考えると、台湾は比較的早くから「父の日」が広がっていたようですね。

ちなみに、中華民国が台湾に渡るまでの3年間は「8月8日の父の日」は中国の法で制定された日でしたが、その後、中華人民共和国になってからは正式に「父の日」は制定されていません。ただ、西洋文化が入ってきた影響で、現在、中国では6月の第3日曜日を「父の日」として商業イベントが行われています。

トーク②:台湾の「父の日」のプレゼントとは?!≫

 では「父の日」はどのような習慣があるのでしょうか。「父の日」発祥であるアメリカでは、1910年に初めて「父の日」の祝典を行った際、教会の青年たちは、健在の父に感謝を送るものは赤いバラの花、亡くなった父に思いを馳せるものは白いバラの花を身につけて父をたたえたそうです。また、立案者のドッドさんが「父の日」に父の墓前に白いバラを供えたという説もあります。そのことから、アメリカでは「父の日」には白いバラを贈る習慣があるそうです。

 一方、日本では、“黄色いバラ”が「父の日」の花とされています。これには1981年に設立された日本ファーザーズデイ委員会が開催している“父の日黄色いリボンキャンペーン”が大きくかかわっているようで、「家族の愛情や尊敬を表す黄色を父の日のイメージカラー」として啓蒙していたのが、「父の日にバラを贈る」と言う習慣と同化して、“父の日に黄色いバラを贈る”という今の習慣になって行きました。さらに最近では、黄色が「父の日」のイメージカラーとして定着してきて、バラに限らず、“黄色の”カーネーションや、そのほかのひまわりやガーベラといった“黄色の花”を贈るという人も増えているようです。

ただ、「母の日」と比べると、花を贈るよりも実用的なネクタイやシャツといったビジネスグッズのプレゼントや、電気シェーバー、財布などの生活グッズ、もしくはお酒などのプレゼントを贈る人が多いようです。

では、台湾の「父の日」はどうでしょう?

台湾では「父の日」に花を贈る習慣はほぼありません。数年前のデータですが、台湾のあるメディアが調べた両親が欲しいと思っているプレゼント調査によると、花束はなんと0%でした…。ではどのようなプレゼントが人気なのかと言うと、「心のこもったメッセージカード」、「家族旅行」、そして「現金」でした!

やはりどこの国でも親にとって子供からの「心の思ったメッセージカード」と言うのはうれしいものですね。そして「家族旅行」、これはよく家族で集まる、よく家族で旅行に出かける台湾らしいなと思いました。そして一番多かった回答が「現金」!これは日本人にとってはちょっと驚きかもしれませんが、台湾ではプレゼントとして「現金」を贈ることはよくあるそうです。まぁ、「これで自分の好きなものを買って」と言うことで、合理的ではありますよね。

ちなみに、台湾のヤフーニュース(Yahoo!新聞)で、各大手ネットサイトの今年の「父の日」のプレゼント人気アイテムを紹介していましたが、毎年、「父の日」のプレゼントとして安定の電気シェーバーやiPhone、ケーキ、健康食品、のほか、今年は、ニンテンドースイッチやブルートゥースイヤホン、マッサージガンなども人気のようです。電気シェーバーは日本の「父の日」でも人気のアイテムですが、台湾では「ケーキ」も準備する家が多いそうです。ケーキは「母の日」にも登場するそうですが、台湾では「父の日」や「母の日」には家族や親戚が集まって食事をする習慣があるため、食後のデザートとして皆で食べるようです。そのため、日本にもあるカフェチェーン店スターバックスも台湾ではこの時期、「父の日」用ケーキが登場します。もちろん皆で食べるんですが、最近ではやはり「父の日」に準備するケーキはかわいらしいものよりも、ちょっとお父さんを意識して、大人の雰囲気、そして大人の味のケーキが人気のようです。

ちなみに今年のおススメケーキとして紹介されていたケーキは、ココアや竹炭を使った、見た目もシックな大人の雰囲気のもので、味はウイスキーやブランデーが入ったものが多く見られました。

台湾の「父の日」は8月8日ですので、必ずしも皆が集まれる週末とは限りません。そんな年は、「父の日」近くの週末に集まって食事会を行うそうですが、今年はちょうど土曜日。今週末はみんな仕事をさっさと引き上げて家に帰るんでしょうね。

日ごろから家族のつながりがとても強い台湾。日本では「父の日」はどうも忘れ去られがちなイベントですが、台湾では皆が集まってとっても賑やかな日となっています。

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