ナルワンアワー(金曜日) - 2020-07-31

  • 31 July, 2020
  • 駒田 英

 中華民国台湾と日本の両国間には国境こそありませんが、互いに最も良好な関係といえるのではないでしょうか。台湾で行われた、好きな国に関するアンケート調査でも、日本は毎回トップないし上位に入ります。また、日本の人々の台湾への好感度も非常に高くなっています。

 国際社会で先進国と認められており、豊かな文化そして、特色あるグルメの数々をもつ日本という国に、憧れの気持ちをもつ台湾の人々は少なくありません。実際に私もタクシーを利用し、自分が日本人とわかると、日本の様々な優れた点を挙げ、素晴らしい国だと褒める運転手さんに何度も遭遇したことがあります。

 ただ、それと同時に、日本社会を冷静に見ている人が多いことに気づかれます。台湾の形容詞として日本でしばしば使われる「親日」という言葉よりも、実際は、日本についてよく知る、いわゆる「知日派」の人達の割合が多いように思います。何よりも関心をもっている人が多いんです。

 この度、台湾の大手インターネット掲示板で、ある女性の投稿が反響をよびました。この女性は、今は台湾で暮らす日本人が、かつて日本で社会人だった時代について「早朝から夜遅くまで働き、まさに社畜だった。日本の給料は台湾に比べて多いが、その分、税金も高かった」と振り返っていたことに驚き、これは本当かと、日本はそんなに暮らし辛いのか、と他のネットユーザーに尋ねました。

 この書き込みに対する意見は大きく二つにわかれました。この日本人の意見に同意する人は、「日本と韓国は旅行するにはいいが、生活するのはストレスが大きすぎる。」、「日本の労働環境は確かにプレッシャーが大きい」、「日本で働く友人は夜11時、12時にようやく退勤できるとこぼしている」などと指摘、それなりのポストが与えられば別かもしれないが、日本は外国人が暮らす国ではなく、観光で遊びに出かける国だ、と指摘しました。

 反論の声もありました。「日本で働くことは確かに大変だ。でもそれなりの報酬が得られる。台湾の労働環境も日本同様ハードだが、それに見合う報酬は得られない」、「凡人は台湾に留まり、能力のある人は日本に行くべきだ。待遇が桁違いだ」など、労働環境のハードさを認めた上で、報酬面の大きな違いを指摘する声があったほか、「企業による。うちの旦那は欧米系企業から日系企業に転職したが、プレッシャーは変わらないと話している。また、差別をされたり、仲間はずれにされるといった話も全く聞かない」と説明、日本企業、日本の労働環境は、決して特別ではないと指摘しました。

 台湾の人達は、自分自身よりも、むしろ相手のメンツを非常に重視する傾向があり、日本人に向かって、こうした日本に関するマイナスの話題を話すことはあまりありません。仮に振られても言葉を濁しがちです。ただ、台湾の友人がいるリスナーの皆様は、こうしたテーマについての見方をさり気なく聞き、互いに腹を割って話してみると、距離がぐっと縮まるかもしれませんよ。

 

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