GO GO台湾 - 2020-07-25_「台湾国立博物館鉄道部パーク」オープン

  • 25 July, 2020
  • 王 淑卿
赤レンガと木造がマッチした美しい外観の「鉄道部パーク」。(写真:CNA)
蔡英文・総統も巨大なジオラマを見学。(写真:CNA)

トーク①:“鉄道部博物館”オープン!≫

今月7日、台北に新たな博物館が誕生しました!その博物館とは、「台湾国立博物館鉄道部パーク(通称:鉄道部博物館)」です。台北駅の西側、第一級古跡である「北門」のすぐ近く。交差点に向かって堂々とした姿を見せる赤レンガが目を引く建物です。

この建物は新しく建てられたのではなく、日本統治時代に「台湾総督府鉄道部」の施設として建てられ、戦後は「台湾鉄路局」の庁舎として、およそ70年にわたり台湾の交通と経済の発展に大きく貢献してきた建物です。現在は、国定古跡「台湾総督府交通局鉄道部」として保護されています。

2006年に国立台湾博物館が「台湾博物館系統計画」を始動し、台北市の中核エリアの歴史建築群をとりまとめて、古跡を修復し再活用する取り組みをスタート。それをうけ、2007年に国定古跡に指定され、およそ10年をかけて少しずつ建物の修復を行い、今月、現代的な意義ある“鉄道部博物館”として蘇ったのです!

オープン前日の6日に行われた開幕式典には蔡英文・総統も出席し、「建物を修復し、文化資産を守ることで、建築知識や工芸技術や鉄道といった無形文化資産を伝承している」とコメントしていました。

早速私も行ってきたんですが、まずは建物が美しい!修復されて綺麗というのもありますが、赤レンガが目を引く…といいましたが、よく見ると鉄道部の庁舎の1階部分は赤レンガ造り、2階部分は木造となっていて、2階には2本ずつの柱で支えられたバルコニーがあり、その屋根の上には屋根裏部屋などについている“ドーマー・ウィンドウ”と呼ばれる小さな屋根がついた窓があって、様々な要素がうまく融合した建物になっています。しかも窓枠は台湾の昔の建物によく見られる緑色。これも赤レンガと木造にマッチしていて独特の雰囲気を生み出しています。

その庁舎の入ると、入り口を中心に左右に弓のような形となっていて、常設展示エリア、特別展エリアなどがあります。

常設展示エリアには、「鉄道文化常設展」、「鉄道部歴史展示」、「立体石膏装飾展示」、そして「鉄道動態模型常設展」などがあります。

「鉄道文化常設展」や「鉄道部歴史展示」では、台湾の鉄道の歴史や支線の説明が写真やパネル、影像で紹介されていたり、実際に踏切警報機やかつて使用されていた“閉塞”と呼ばれるタブレットキャリアだったり、切符やそれを印字していた活版印刷の機械なども展示されています。一言に“鉄道”といっても、列車についてだけでなく、列車が運行するために必要な道具や機械、システムなど、一般人もよく目にする大きなものから、なかなかお目にかかれない小さなアイテムまで、鉄道に関する様々な展示が行われていますよ。

また、実際の台湾鉄道の莒光號の車内を再現したエリアや、かつての券売機、改札口を再現したエリアがあったり、今も活躍している、駅のホームに設置されている電光掲示板が展示されていて、その下に設置されたタッチパネルを操作すると実際にホームで流れている、中国語、台湾語、客家語、英語のアナウンスが聞けるというものがあったりと、目で、耳で、そして一部は実際に触れて鉄道を知ることができます。

さらに、2階の展示エリアにある「鉄道動態模型常設展」は、2,300万台湾元(日本円およそ8,300万円)を投じ、1970年代から1980年代にかけて台湾鉄道の電化が進みSLと世代交代をする頃の、しかも線路の地下工事化が進む前の3代目台北駅周辺の様子がジオラマで再現。今では台湾中部・彰化でしか見ることができない「扇形車庫」もありますよ。しかも、時間によって、決まった車両が駆け抜けます。たとえば、朝10時には、「扇形車庫」にDT650がいたり、10時20分には台北駅をCT270が牽引する通勤列車TP32700型や、DT650が牽引するブルーに塗装された観光号、CT270が牽引する貨物列車が通り抜ける…など、当時の風景を再現します。その様子はテレビ画面にも映し出されるのですが、ジオラマの中のカメラから取られる影像なので、まるでそのジオラマの中に立ってみているかのような、タイムスリップしたかのようなワクワク感を味わえます。お気に入りの列車が走る時間に合わせてこのジオラマのコーナーに足を運んでくださいね。

 

トーク②:鉄道部博物館の見所は庁舎だけではありません!≫

鉄道部博物館は、その建物も国定古跡に指定されていていますが、常設展示には「立体石膏装飾展示」というエリアもあります。このエリアでは、この歴史ある建物にあった石膏装飾を修復したもの、そして修復の過程などを見ることができます。この修復には多くの日本の専門家も招き、技術交流を行い、修復を行ったそうです。この「立体石膏装飾展示」エリアでは、石膏の“白”に伝統的な窓枠や扉の“緑”が映えてとても美しいですよ。

また敷地内には赤レンガが目を引く庁舎の建物だけでなく、様々な建築物もあって、「八角樓」と呼ばれる、鉄筋コンクリートで作られた八角形をした独特な形の当時男性用トイレだった場所を形はそのままにパネル展示スペースにしていたり、かつての電源室だった場所はレストランスペースとして開放されていたり、かつて工務室だった場所は古跡修復に関する展示がされているほか、子供たちが楽しみながら蒸気機関車の仕組みを学べるスペースとなっています。

ほかにも、清の時代に機器局だった頃の遺構があったり、戦時中の指揮センターだった防空壕があったりと、この場所の歴史も感じられます。

鉄道が好き!という人も、古跡に興味がある!という人も、ちょっとふらりとやってきた…という人も、みんな楽しめると思いますよ。実際、私も仕事の前にチラッと覗いてこよう!くらいの感じで向かったのですが、しっかり3時間近く楽しんできました。

なお、古い建物とはいえ、修復の際にバリアフリー工事も行われ、エレベーターやスロープも各所に設置されているので、車椅子でも2階の展示スペースや、ほかの建物への通路も移動ができるようになっています。緑の枠の古い扉をそのまま利用して、自動扉にしている場所もありましたよ。スライドや引き戸ではなく、ボタンを押すと自動で扉が手前に開く…というというのに驚いたのですが、実はその扉、修復前からその先に何もないのに扉だけあったそうで、まるで修復後、ここにエレベーターが設置されるのがわかっていたのか?というような場所にあったことから、「未来への扉?」とも言われているようです。「鉄道部博物館」に来たら探してみてくださいね。

「鉄道部博物館」の入場料は、大人100元(日本円およそ360円)、子供50元(およそ180円)。毎週月曜日はお休みです。

場所は、台北新交通システムMRT(台北メトロ)グリーンライン「北門」駅下車2番出口出てすぐです。ただ、入り口が「北門」駅の逆側になるため、建物に沿ってぐるっと回る必要があります。もしくは、台北駅から台北地下街を通ってY26出口を利用するか、桃園メトロを利用の場合は、「A1台北車站」下車、7番出口からのほうが、入り口にはちょっとだけ近いですよ。

次回、台湾を訪れた際には、ぜひ新たにオープンした「台湾国立博物館鉄道部パーク」にも足を運んでみてください。

…ちなみに、出口がちょっとわかりにくいので、迷子にならないように気をつけてくださいね。

 

トーク③:台湾の防疫対策≫

 

(編集:中野理絵/王淑卿)

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