文化の台湾 - 2020-06-17「台北上河図」出版!過去百年の繁栄振り返る

  • 17 June, 2020
  • 王 淑卿
作家・姚任祥さんとイラストレーター・葉子明さんが7年間費やして完成した「台北上河図」に収録されている台北の鳥瞰図。上は「台北の夜景の鳥瞰図」、下は日本統治時代の台北鳥瞰図を参考にして描かれた鳥瞰図。台北市の全貌を一目で分るという。(写真:誠品書店提供、CNA)

中国の歴史や古代中国の文物にご興味のある方、きっと「清明上河図」をお聞きになったことがあるでしょう、16日、「清明上河図」ならぬ、「台北上河図」が出版されました。

清明上河図(せいめいじょうがず)は、中国の北宋の時代の都である、汴梁(現在の河南省開封市)とそれを流れる川、汴河両岸の繁栄振りと賑やかな様子、そして美しい景色を描いた絵巻物です。季節は、二十四節気の清明です。

清明上河図は、中国の十大名画の一つとして数えられ、「中華第一神品」という美名があります。ここで言う神品は、「神様の作品」という意味です。

現在知られている「清明上河図」の中で最も歴史の古いものは、北宋の画家、張択端氏が描いたものです。今、中国大陸の北京故宮博物院に所蔵されています。あまりにも有名なため、各種の模写や模倣作品があります。

台湾では、このほど、「清明上河図」ならぬ、「台北上河図」が出版されました。作家、姚任祥さんが編集を、イラストレーター、葉子明さんがイラストを手がけ、7年間かけて完成した、上下二冊の大作です。

上巻は絵を中心とします。長さ200メートルの隙間のない絵です。台北城の過去百年来(1887年~2019年)のニュースや事件を記録しています。下巻は複数の作家による台北に対する記憶です。古い写真がたくさん入っています。台北城は、清の時代に、台北の大稲埕と艋舺の間に築城された面積約1.4平方キロメートルの城郭のことです。

「台北上河図」の上巻は、写真と文章を使って台北の歴史とストーリーを紹介しています。例えば、1986年、台北市立動物園は、台湾国際放送の運営母体である、中央放送局の局舎の近くにある圓山から木柵に移転された際、動物たちがゆっくりと市内の大通りを経由して運ばれていきました。動物の大パレードのようなものでした。当時、大勢の市民は道の両側に立って先を争ってこの大パレードを楽しみなした。

そして1999年9月21日、台湾中部・南投県の集集鎮を震源とする、マグニチュード7.3の大地震、「台湾中部大地震」、またの名「921大地震」が発生しました。北部の台北市では、ビル(東星ビル)が倒壊し、多数の死者が出ました。

2003年、香港の著名な日刊紙、アップルデイリー、リンゴ日報の台湾版が創刊されました。アップルデイリーは、当時の台湾の新聞紙と一線を画して、自らの特色を宣伝するため、繁華街やバスの車体に、香港の女優、鍾麗緹(クリスティ・チョン)のセクシーな広告を大々的に出しました。裸同然の広告だったので、当時大きな話題を呼んでいました。

時間の河に流され、忘れられこれらの記憶は、「台北上河図」の出版を通じて再び蘇るでしょう。

イラストレーターの葉子明さんによりますと、「台北上河図」を描くには紙の材質が非常に重要です。そのため、重さ35キロにも上る水彩画用紙を選びました。そして日本の浮世絵における庶民の視点、すなわち第三者の視点も構図に取り入れています。見る人は、「台北上河図」を通じて、台北市の各世代のライフスタイル、台北市という都市のビジネスモデル、流行文化などの変化を感じ取ることが出来るよう工夫したということです。

「台北上河図」の下巻は、各分野で活躍している有名人を招いてきて、記憶の中の台北を語ってもらいます。例えば、人気作家の蔡康永(ケビン・ツァイ)さん、台湾ネットショッピング大手PChome Onlineの詹宏志董事長(会長)、ファッション界のリーダー的存在として名高い洪偉明(ホン・ウェイミン)さん、女優の林青霞(ブリジット・リン)さんら、多くの分野の有名人による台北の思い出が掲載されています。

そのほか、貴重な台北鳥瞰図2部(日中と夜間)も収録されています。編集を手がけた姚任祥さんは、旅行するとき、常に鳥瞰図を通じてその都市の重要なランドマークに関する情報をキャッチしているため、台北の昼と夜を表す鳥瞰図を作成して収録したと説明しました。

4ページに及ぶ昼間の台北を描く鳥瞰図の作成について、姚任祥さんは、いろいろ考えて下見を重ねた結果、日本の昭和から大正時代にかけて活躍していた鳥瞰図絵師、吉田初三郎氏が1935年に完成した台北市の鳥瞰図を参考にしたと紹介しました。

視点は、台湾北部・新北市の三重区から台北市を眺める設定となっています。台北市の民族西路から松山空港までの航空路線に沿って淡水河の上空から台北市を見下ろします。こうすると、左手は關渡、右手は木柵、正面の先は、内湖と南港です。台北市の全景を鳥瞰図に収めることが出来ます。

一方、6ページに及ぶ台北市の夜景は、台湾最大の“開漳聖王”廟、内湖の碧山巌から台北盆地を眺める設定になっています。市内で最も賑やかな繁華街で、ネオンサインが光る東区や、ほのかな光の下で輝く、温かみのある景美、東湖など、台北市の様々な風情を表現しています。

「台北上河図」は上下二巻がセットになっており、誠品書店及びインターネットショッピングサイトのみで販売されています。特別価格台湾元2000元(約日本円7300円)。

 

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