ナルワンアワー(金曜日) - 2020-02-07 日本で働く台湾の若者がみる台湾の労働環境など

  • 07 February, 2020
  • 駒田 英

1月半ばに行われた中華民国総統選挙では、与党・民進党の蔡英文・総統が再選を果たしました。香港をめぐる問題から、中国大陸への警戒感が高まり、追い風になったほか、若い世代の台湾主体意識の高まりについても指摘されています。

ただ、蔡英文・総統は色々な課題を解決しなければなりません。それが特に若い世代の低賃金の問題です。蔡英文・総統就任以来、台湾の最低賃金は15%引き上げられ、月給台湾元2万3800元(日本円にしておよそ8万5530円)ましたが、かつて同レベルであった韓国には大きく引き離されています。また、同じ学歴、キャリアがある場合には、中国大陸の沿海部の大都市の方が高賃金となっています。

こうした中、多くの若者は、節約をしてくらすか、もしくは海外に働きに出ています。海外で働くひとが多い中、若い世代が集まるインターネットにおいても、こうした話題は盛り上がるんです。この度、一人の大学生の大手掲示板への投稿が、話題となり、議論を呼びました。ご紹介しましょう。 

この大学生の若者は、旧正月の際、祖母の家で、親戚との集まりに行った際、伯父さんから「自分の息子は日本東京の世田谷区で働いており、月給30万円をもらっているので、大学卒業し兵役を終えたあと、日本に行ってみないか」と勧められたことを明らかにしました。その上でこの若者は「日本での仕事自体に興味はないが、月収30万円は東京だとどれくらいのイメージだろうか」と問いました。

これに対して、反応は大きく2つに分かれました。一つは大した額でないという指摘です。「日本円30万円は、台湾元でいえば3万元くらいのイメージだ」、「日本の物価を10で割れば、ちょうど台北の物価のイメージだ」、「その給料では生きてはいけない」、、「東京の家賃はとても高い」などのコメントが並びました。

これに対して、「いくら可哀想だといっても、台北で月給3万元よりはずっとましだ」、「もし会社が寮を提供してくれるなら十分だ」、「実際に日本の新卒の初任給は20万円くらいだ」「30万円の月給に、会社の福利厚生を考えれば、23区外に住めば十分余裕がある」などの指摘のほか、「若い時期に思い切って海外にいくのもいい、人生の経験値を増やすことはわるくない」というアドバイスもありました。

日本人、特にバブル崩壊後、ロストジェネレーションの私の正直な感想ですと、20代半ばで月給30万円もらえる仕事というのは悪くはない気が致します。また、これはこの記事に対するネットユーザーのコメントにもありましたが、台湾が低所得高消費となりつつある反面、デフレが進んでいる日本は中所得で低消費の国になってきていると指摘しました。この指摘は、正しいという気がいたします。

果たして、この若者は日本での就職するのでしょうか。この点も気になりますが、同時にこうした人材流出が続くことは、台湾にとって大きなマイナスです、中国大陸と距離をとりながらの経済振興、難しさはあるでしょうが、蔡英文・総統には、この難題も解決してもらいたいと思います。

(編集:駒田 英)

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