国立故宮博物院の収蔵品の日本における展示会、「神品至宝」展は6月から日本の東京国立博物館で、10月からは九州国立博物館で開催される。今回、特に注目されているのが、故宮博物院の二大スターともいえる、「翠玉白菜」(東京国立博物館で、6月24日から7月7日まで)と「肉形石」(九州国立博物館で10月7日から10月20日まで)が期間限定ながら日本で展示されること。
「翠玉白菜」は、玉を白菜の形に彫った置物。長さ18.7センチ、幅9.1センチ、厚さ5.07センチで、台座に斜めに立てかけられて展示される。石は透明な部分と緑色の部分があり、「玉」としては決して絶品ではないが、作者はこの色や石に入った線を巧みに利用して、みずみずしい白菜を作り出した。上部には生き生きとしたキリギリスとイナゴが彫られている。
見つかった場所は中国大陸・北京の紫禁城(故宮)の永和宮。光緒帝(1871~1908)の妃、瑾妃のものとされる。白菜は「純潔」を、イナゴは「子宝」を象徴することから、瑾妃の嫁入り道具の一つではないかと考えられている。