蔡英文‧総統は6日、国立台湾大学徐州路キャンパスに位置する「国際政経学院」の除幕式に出席しました。
蔡‧総統は、台湾は地政学的に重要な位置にあり、さらに多くの分野横断的で国際的な視野を持ち、政治経済の変化に熟知し、戦略的思考力を備えた人材を育成する必要がある。今後、国際政経学院が台湾産業のイノベーションと高度化を促進するだけでなく、グローバルで活躍できるリーダーを育てると期待しています。
近年、台湾の地政学的重要性が高まる中、台湾大学は「國家重點領域產學合作及人才培育創新條例(国家重点分野における産学協力及び人材育成に関する条例)」に基づき、全国で初めて政治経済を国家重点分野とする全英語による「国際政経学院」を設立。今年2月、教育部の認可を受け、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造（TSMC）を含む半導体、金融、医療など異なる分野の7つの企業から出資を受けています。
蔡‧総統のほか、潘文忠‧教育部長、台湾の経済政策の策定などを担う国家発展委員会（略称：国発会）の龔明鑫・主任委員、そして出資企業の代表もこの除幕式に出席しました。
蔡‧総統は挨拶で、過去数年間の新型コロナウイルスの影響やロシア・ウクライナ戦争により、世界の政治経済情勢がますます速く変化しており、地政学面で新たな局面に直面している、台湾は関連する人材を育成する必要があると述べました。
また、TSMCが高給与で政治学博士を採用したというニュースを見た時、若者たちが企業における政治経済人材のニーズと重要性を深く感じ始めていることに気づいた。そうなれば、国家は人材育成の環境を整備する責任があるとしています。
蔡‧総統は、「国際政経学院の卒業生たちが、学術界や産業界のリーダーとなり、台湾産業のイノベーションと発展を継続的に促進すると期待している。この国際学院が育成する人材は、将来の総統のみならず、政治のみならず、様々な分野でグローバルに活躍するリーダーとなると確信している」と話しています。
台湾大学の陳文章‧校長は、新時代の政治経済・金融リーダーには新たな科学技術、財経、歴史文化に関する知識に加え、グローバルな視野が必要不可欠だと強調。このため、準備段階で各学部に参画を求め、様々な分野の企業とも協力し、助言を仰いだ。初期は「政治経済」、「財務金融」、「リーダーシップと経営」の3分野を柱に、学士、修士、博士課程の計8プログラムを開設する計画だ。現在、日本の早稻田大学、アメリカのハーバード大学、ジョージタウン大学、フランスのパリ政治学院などと実質的な協力関係を構築中である。台湾大学の国際政経学院が、将来的に政治経済の最重要人材育成の拠点、そして重要なシンクタンクになると期待しています。
（編集：許芳瑋／本村大資）