野党、国民党立法院（国会）党団の総召集人である、傅崐萁‧立法委員一行が中国を訪問した後、中国側は28日、対台湾政策としてオリーブの枝と見なされる一連の措置を次々と打ち出しました。中国‧福建省の住民の台湾渡航の解禁や、台湾海峡両岸間の海上・航空路線の直行便を全面的に復活させることを期待させる内容などが含まれています。
これに対し、交通部の王国材・部長は29日、中国側が示した善意の度合いと、台湾が期待する「パンデミック前の水準への完全復帰」との間には、相当の開きがある。また、6月に中国の団体観光客の台湾観光を解禁するかどうかについては、各省庁の横断的な会議を経た上で決定される必要があると述べました。
中国側の文化観光部、国家移民管理局、交通運輸部、中国国務院台湾事務弁公室（国台弁）は、傅崑萁氏と16人の立法委員一行が27日に北京で、中国人民政治協商会議の王滬寧・主席と会見した後の翌28日、一連の台湾を対象にした優遇措置を立て続けに発表しました。中国の福建省住民の台湾離島・馬祖観光を解禁すること、また中国福建省の平潭と台湾の海上直行便が再開された後には、福建省住民の台湾本島への団体旅行も再開することなどが含まれています。
また、5月6日からは、中国の北京、上海など20の都市でオンライン申請による中国の人々が台湾に入境する際に必要な「中華民国台湾地区入出境許可証」（通称：入台証）の再発行が可能となります。また、「観光小両会」（台湾側では「台湾海峡両岸観光旅行協会」、中国側では「海峡両岸観光交流協会」と呼ばれる）というメカニズムを通して、台湾側に対し両岸間の海上・航空路線の直行便の再開を働きかけているということです。
これについて、王国材・交通部長は29日、過去、小三通 (台湾の離島と中国大陸の沿岸部との局地的な通航、通商、通信のこと)による渡航の9割は、金門に集中しており、馬祖への渡航はそれほど多くはなかった。また、台湾側も善意を示しており、個人旅行での中国渡航は自由化されている。さらに、3月1日から5月末までの間に、約4,000の旅行団体、約10万人が中国を観光しに行くと述べました。
王国材・交通部長は、「対等とは、新型コロナウイルス流行前の水準、つまり団体旅行の全面解禁と47都市での個人観光の自由化を意味するだろう。そのため、中国側は一定の善意を示しているものの、その程度はあまりにも小さすぎると感じている。我々の期待とはかけ離れている。現状は福建省での試行程度に過ぎないからだ。これについて、一部は行政院大陸委員会や他の省庁の権限に関わるため、私たちは6月の中国の団体旅行の解禁や、どのように対応するかについて、省庁を横断した議論を行う必要がある。もし中国側が今回全面的な解禁措置を取るならば、おそらく問題はないだろう。」と話しています。
（編集：許芳瑋／本村大資）
