
蔡英文・総統の中米訪問時のアメリカへの立ち寄りに対し、中国が反発しています。
蔡・総統は中米のグアテマラとベリーズを訪問したあと、台湾に戻る際、アメリカ西海岸のロサンゼルスを経由し、マッカーシー下院議長と会談を行う予定です。
中国の国務院台湾事務弁公室(国台弁)の朱鳳蓮・報道官はこのことについて、強く反発し、マッカーシー下院議長と会談すれば、必ず強硬な反撃措置を実施すると強調しています。
立法院外交及び国防委員会は30日、国家安全局(略称:国安局)の蔡明彦・局長を招いて、関連の情報機関のトップからの「国家情報活動・国家安全局の業務」について報告させ、質疑に答えさせました。多くの立法委員からは今回の蔡・総統のアメリカの立ち寄りに対する中国の反発について、政府がどのように対応するか質問が寄せられました。
最大野党国民党の江啟臣・立法委員から、中国の反撃措置をどうとらえるかという質問に対し、蔡・局長は、昨年のペロシ下院議長訪台時とまではないと見込んでいると述べました。
蔡・局長は、今回の中国からの反発は、昨年 8 月の当時のペロシ下院議長の台湾訪問ほどは大きくはないとみている。今回蔡・総統はアメリカ経由でマッカーシー下院議長と会談するのであり、アメリカで会談を行う。当時のペロシ下院議長が台湾を訪れたことと比べると政治的複雑さはそれほど高くないと述べました。
また蔡・局長は蔡・総統の中米訪問でのアメリカ経由は事前に十分に確立された計画であり、中国は過度に反発するべきではないと指摘。与党・民進党の羅致政・立法委員から、中国が必ず強硬な反撃措置を実施すると述べているが、政府は何らかの作戦会議やシミレーションを行っているのかという質疑に対し、蔡・局長は、行っているとして、その内容は、専門会議を召集し、政府内部だけでなく、関連部署を越えたシステムや、国際的な同盟者との情報交換などが含まれると述べました。
(編集:岩口敬子)