
最大野党・国民党の夏立言・副主席率いる訪問団が8日、中国へと向かいました。10日間に渡り「交流對話、關懷民生(対話交流および人々の暮らしについて)」の行程を展開。まずは北京に到着し、その後、南京、上海、武漢、重慶などを訪れ17日に台湾に戻ります。
夏・副主席は、9日に中国で台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の宋濤・主任と、10日には中国共産党中央委員会対台湾対策チームの王滬寧サブリーダーとも会談する予定です。
ただ、夏・副主席は中国に向かう前、桃園国際空港で取材に応じた際には、宋濤・主任と会う予定であるとだけ話し、そのほかについては、ホスト側の希望によると語りました。
夏・副主席は、「新たに国務院台湾事務弁公室の主任となった宋濤氏と会う予定であると大陸委員会に書類を提出している。他の人については、我々の態度としてはホスト側の希望によるとしていて、もし先方がセッティングすればそれを拒否することはない」と話しています。
昨年8月に夏・副主席が中国を訪れた際、ちょうど中国側は、当時のアメリカの下院議長であったナンシー・ペロシ氏が台湾を訪れたことを不服とし、台湾に対して報復と位置付ける軍事演習を行っていました。そして今回は、中国がアメリカ領空への気球侵入を探知したタイミングと重なり、5日に予定されていたアメリカのブリンケン国務長官の訪中が延期されるなど、微妙なタイミングでの訪中となっていて、周りから注目されています。
これに対して夏・副主席は、時期の問題については前回も話した。多くの人にとって最適な時期というのは永遠になく、危険になればなるほど行かなくてはならないと語りました。
また、今回の訪中で、2024年の総統選で国民党が政権奪回しやすいよう中国が政治的ボーナスを与えているのではないか?との質問に対し、今回の訪中の目的は台湾の人々に変わって最高の福祉を得るためであり、その他の政治的な配慮はないとコメントしました。
この他、アメリカ中央情報局(CIA)のバーンズ長官が、中国の習近平・国家主席が軍に対し、2027年までに台湾への侵攻を準備するよう指示していることを明らかにしていることに対して、宋濤・主任らと会った場合、直接自身の意見を表明するのかとのメディアからの質問に対し、台湾侵攻の時期についてはたくさんの異なる年を聞いている。今回の訪中は、台湾の人々の懸念を示すのが主な目的であり、いいタイミングを見て相手に表明するとしています。
与党・民進党陣営が今回の訪中を「朝貢による統一推進」と砲撃したことについては、数十年間外交官を務め、大陸委員会や国防部でも働いてきた。「握手しただけで統一につながるわけではない。そんなに疑う必要はない」と述べました。
また、民進党が不必要な政治用語や誹謗中傷をしてくるが、これはまったく意義を持っておらず、自身を貶めるものだと疑問を呈しました。
(編集:中野理絵/王淑卿)