
世界最大手の半導体受託生産企業である、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)によるアメリカ投資がもたらした「脱台湾化」の懸念について、台湾の経産省に当たる、経済部が7日、四項目の説明を出して反論しました。
TSMCは6日、アメリカアリゾナ州の新工場で初めての設備搬入式典を行いました。第一段階では、2024年をめどに4ナノメートルの製品を量産し、第二段階では2026年をめどに3ナノメートルの製品を量産します。この二つの段階における投資総額は、400億米ドルで、年間生産量は60万枚のチップに達する見込みです。
最近懸念が高まっている半導体の「脱台湾化」の問題について、経済部は、四項目の説明でTSMCのアメリカ投資が台湾の半導体産業の空洞化を招くことに反論しました。
経済部によりますと、①TSMCのアメリカ投資は半導体産業の脱台湾化につながりません。台湾の一か月当たりのチップの生産量は219万枚です。TSMCがアメリカに設けた5ナノメートルの工場は一か月当たり2万枚生産できますが、TSMCの9割の生産量は台湾の工場によるものです。
②台湾は、今後も先端プロセスでリーダーシップの地位を引き続き保ちます。アメリカにあるTSMCの5ナノメートルの新工場は2024年にならないと量産できません。3ナノメートルの量産も2026年のことだと予測されています。しかし、台湾にあるTSMCの3ナノメートルの工場は今年から試験的に量産を始めています。2ナノメートルの工場の建設用地も現在土地の整理の段階に入っています。政府はさらに新竹サイエンスパーク龍潭園区で第三段階の拡張工事を進めており、最先端のプロセスを台湾に残そうとしています。
③アメリカの工場に支援に行ったエンジニアは1%に過ぎず、人材の流出問題にはなりません。TSMCは台湾にはエンジニアが5万人以上いて、アメリカを支援するのは500人だけ、エンジニア全体の1%しか占めていません。
④40年間のサプライチェーンが最も健全で、台湾に取って代わるところはありません。台湾の半導体産業の発展は40年を超えています。人材が揃っているほか、川上と川下のサプライチェーンを合わせて1000社以上のメーカーがあります。台湾の半導体生産は、ぶどまり率にしてもコストにしても最もいい状態にあり、一時間以内に問題を解決することができるということです。