
今年の双十国慶節祝賀式典は、小雨の降る中、開幕しました。
まずは、台湾で初めてグラミー賞で最優秀レコーディング・パッケージ賞を受賞した作品をリリースしたバンド「八歌浪Pakelang」、そして今年8月にアメリカ ウィリアムス・ポートで行われたリトルリーグ・ワールドシリーズで好成績を収めた台北市立福林小学校の面々がオープニングを飾りました。
続いて、中華民国国軍の三軍音楽隊と儀仗隊(マーチングバンド)が登場。今年は初めて難度の高い、左手のみでライフルを回す技を披露しました。
台湾南部 台南の「聯合武陣」の演武や、台北第一女子高のマーチングバンドの演奏など、素晴らしいパフォーマンスが続きます。
国軍の新型高等訓練機 ブレイブ・イーグルも初めて登場し、F-5型戦闘機と共に、会場上空を飛行ました。ブレイブ・イーグルは将来的に、F-5型戦闘機の代わりに訓練機となる予定で、バトンタッチするという意味が込められていたそうです。
国歌斉唱は、陸軍、海軍、空軍、海岸巡防署の代表7人、離島 馬祖の児童合唱団が行い、初めて、台北市の総統府と、南部・高雄市、離島の馬祖(連江県)の三ヶ所が中継で結ばれました。国歌斉唱の際には、巨大な国旗がヘリコプターで吊り下げられ飛行しました。
建国記念日を祝うパフォーマンスは合唱が披露され、国立実験合唱団、国立台湾教育大学の合唱団ら111人が参加しました。
続いては蔡英文・総統による挨拶です。総統は、今年の祝賀式典は過去2年とはまったく違う雰囲気だと述べ、「あと3日で入国規制が緩和される、台湾は新型コロナウイルスによる暗い靄から抜け出し通常の生活に戻ることを意味している。新型コロナの流行は、台湾の強靭性を世界に示した。台湾をより良い国家にした。」と話しました。
その後、攻撃ヘリコプター アパッチによる空中パフォーマンスがあり、そして、台湾でも大人気の“オレンジの悪魔”こと京都橘高校吹奏楽部が登場しました。生徒らによる若々しく活気のある雰囲気や、厳格なポジショニングは、目を引くものとなりました。
台湾に友好的な日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」、日本の国会にあたる台湾の立法院の超党派立法委員団体「立法院台日交流聯誼会」がともに行進し、台日友好50周年を祝いました。
また、ストリートダンサーらと、台中市の名門校 曉明女子高校のブラスバンド部が初めて共演。
ラストは、空軍のアクロバットチーム サンダータイガースが、中華民国の国旗の色である青、白、赤のスモークで航跡を残しました。
今年はおよそ2000人の華僑が台湾に帰省し祝賀式典に参加しました。ドイツから帰国した人は、「とてもリラックスしている。長い間もやもやしていたが、ようやく自分の国、ふるさとに帰ってくることができた。嬉しい。中華民国台湾111歳の誕生日おめでとう!」と話したということです。
(編集:風間みなみ/王淑卿)