
アメリカ上院予算委員会の共和党トップ、リンゼー・グラム(Lindsey Graham)議員率いるアメリカ連邦議会の有力な国会議員から成る訪問団一行6人が14日から15日までの日程で台湾を訪問しています。
濃厚接触者とされ、15日に自宅執務を終えたばかりの蔡英文・総統は午前、総統府で一行の表敬訪問を受けました。蔡・総統はあいさつの中で、この訪問団はアメリカ議会の上院、下院を超えただけでなく、アメリカの二大政党の議員も含まれている。これは、台湾がアメリカの超党派議員の支持を受けていることを示しているとし、訪問団一行の長期にわたる台湾へのゆるぎない支持、台米関係の促進に感謝すると共に、一行はみな台湾の良き友人だと称えました。
蔡・総統はまた、ロシアによるウクライナ侵攻は、民主国家が同盟関係を強化し、共に権威主義国家による地域の平和への妨害と脅威に向き合う必要性を浮き彫りにしていると指摘、ここ数年、台湾とアメリカは、「グローバル協力訓練枠組み(GCTF)」と「インド太平洋地域の民主的統治協議(Indo-Pacific Democratic Governance Consultation)」などの対話メカニズムを通して共にインド太平洋地域で民主、「グッド・ガバナンス(good governance:良い統治)」、および人権などの価値を推進していると説明しました。蔡・総統は、台湾がさらに積極的な役割を果たし、共にインド太平洋地域の平和と繁栄を維持するよう努力すると期待を寄せました。
蔡・総統は、「台湾は、アメリカのインド太平洋地域における最も堅実なパートナーだ。新たなインド太平洋戦略でより積極的な役割を果たしたい。アメリカなど理念の近い国々と共に、インド太平洋地域の平和と安定を維持していきたい。そのほかに台湾は、アメリカと共にインド太平洋地域における経済・貿易の交流と協力を促進していきたい。この地域により多くの繁栄をもたらしたい」と意気込みを見せました。
グラム議員は、あいさつの中で、今回の訪問は、台湾に対する支持と情熱を表明するためだとし、台湾に対する中国の挑発行為が威圧行為へとエスカレートする中、台湾を放棄すれば、自由、民主主義、自由貿易を放棄するのに等しい。これは全人類にとって非常に遺憾なことになる。経済面において台湾は、全世界とアメリカにとってデジタル関係で必要不可欠なパートナーだ。アメリカ人は、台湾の重要性がよく分っていると説明しました。
グラム議員は、「テレビでウクライナのことを見たとき、心を痛めた。アメリカ人はアメリカにとって台湾がいかに重要かということを十分理解している。これを皆さんに伝えたい」と述べました。