台湾にもスキー場があったことをご存知ですか?
国家発展委員会が10月24日、フェイスブックに投稿したモノクロ写真が話題となっています。写真には、スキーウェアをした人々が、スノーボードやスキーを満喫している様子が映されています。
これらの写真は、台湾中部、南投県にある標高3100メートルの山、合歓山で撮影されたのです。
国家発展委員会によりますと、およそ60年前、合歓山は年に2ヶ月間の積雪期があり、地形も傾斜角度もスキー場にするのに最適でした。政府は台湾の中央部を東西に横断する車道・中部横貫公路を開発していたときにこの場所を発見、中華民国国軍の冬季訓練センター「武嶺寒訓基地」を設置し、国軍のスキースキルを磨き、雪中におけるサバイバル訓練や戦闘訓練などを行いました。
冬季訓練センターの元教官、邱世杰氏:「劣悪な環境の中の生き残り方、作戦対策、生活の過ごし方などを訓練している。」
合歓山の写真は大きな反響を呼びました。気象専門家の彭啓明氏も、「父もそこで訓練を受けていた。中国大陸を取り戻す際は、東北地方から攻め入るといううわさがあったから」とコメントしました。
冬季訓練センターの元教官、邱世杰氏:「台湾には標高3000メートル以上の山は260ヶ所あるが、訓練場にするなら、合歓山がベストだ。」
1963年、林務局の支持のもと、「中華民国スキー協会」が立ち上げられ、スノースポーツが広められました。合歓山は台湾の社団法人、中国青年救国団の冬の合宿の重要な場所となりました。
合歓山東峰からレストハウス「松雪楼」までは、全長400メートルのリフトが作られました。レストハウスの隣には、スキーの訓練センターがあり、国際試合に参加する代表選手の育成を担っていました。
ところで、近年、気候の変化と地球温暖化の影響で、合歓山の積雪が少なくなり、国軍は寒冷地訓練先を移転しました。
更に海外旅行が便利になったことで観光客も激減、台湾初のスキー場が徐々に没落してきたのでした。
(編集:曾輿婷/王淑卿)