
蔡英文・総統は10日、双十国慶節祝賀大会の演説で、「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」などと発言しましたが、これに対して中国大陸側が反発しています。
中国大陸で台湾事務を管轄する国務院台湾事務弁公室の馬暁光・報道官は10日、この蔡英文・総統の演説内容について、「台湾独立を言いふらし、対立を煽り、歴史を引き裂き、事実を歪め、いわゆる『コンセンサス、団結』を隠れ蓑にして台湾の民意を人質に取り、外部の勢力と結託して、その『独立』を図るため挑発している」と厳しく批判しました。また、「『民進党当局』は『92年コンセンサス』を否定し、対話の基礎を破壊しており、『台湾独立』の分裂を図ることで、台湾海峡両岸の対話の扉を閉ざしている」と指摘しました。
この中国大陸側の批判に対して、台湾で中国大陸事務を管轄する行政院大陸委員会は、書面による方式で、「中共国務院台湾事務弁公室による何らの建設性もないルールと批判中傷は、台湾海峡両岸の間の認識の溝を深めるだけだ」と反論しました。
さらに行政院大陸委員会は、「蔡英文総統の談話は、台湾海峡両岸政策の一貫性を示しており、台湾の2300万の人々の固い決意と意思を伝えている。北京当局が敵意に基づいた認識と、武力を争いの解決手段とすることを捨てるよう呼びかける。台湾の国家主権は、いかなる悪意と挑発によっても壊されることはできない。中華民国は主権が独立した国家であり、110年、絶えることはなかった。台湾海峡両岸にはいかなる隷属関係もない。これは事実だ」と主張しました。
蔡英文・総統は、双十国慶節での演説の中で、「永遠に自由・民主の憲法政治体制を堅持する」、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないことを堅持する」、「主権が侵犯、併合を許さないことを堅持する」、「中華民国台湾の前途は、全台湾人民の意思に従うことを堅持する」という、いわゆる「四つの堅持」を発表しています。(写真:ロイター)