総統府:香港版「国家安全法」は問題解決にならず

  • 22 May, 2020
  • 王淑卿
中国は、21日に「国家安全法」を香港に導入する案を22日に始まる第13回全国人民代表大会の議案にすることを発表した。香港で実施されている「一国二制度」の終焉に対する懸念が高まっている。(写真:AP通信/達志影像TPG)

中国は、21日に国家の分裂や政府の転覆を禁じる「国家安全法」を香港に導入する案を22日に始まる第13回全国人民代表大会(全人代)の議案にすることを発表しました。これは香港で実施されている「一国二制度」の終焉を意味するのではと懸念が高まっています。

総統府の黄重諺・報道官は22日、香港を対象とする「国家安全法」が全人代で審議されることは、香港住民の自由と民主を脅かすことになるとして強い関心を示しました。

黄重諺・報道官は、「香港の自由と民主に対する約束の具現化だけが、香港の問題を解決することができる。香港住民の自由と民主に制限を加えることは問題解決にならない」との見方を示しました。

黄重諺・報道官は、「香港の問題を解決するには、北京側と香港当局は、まず誠意を持って人民の要求に応えなければならない。香港の自由と民主に対する約束を具体的に実現すべきで、香港住民の自由と民主に制限を加えるべきではない。早急に誠意を持って社会大衆との対話を始め、香港住民の自由と民主に対する約束を実現してこそ、問題を解決することができるのだ」と強調しました。

黄重諺・報道官はまた、「香港の例からも伺えるが、『一国二制度』は、自由、民主と矛盾している。これは、自由、民主、主権を守ろうとする、台湾の決意をさらに強固なものにしている」と分析しました。

一方、行政院の丁怡銘・報道官は22日、報道陣に対して、「『国家安全法』草案は、『一国二制度50年変わらない』という北京側の承諾に背いている。香港の自由と民主を大きく脅かしている」と批判しました。

丁怡銘・報道官は、「『国家安全法』は、まだ草案の段階だが、可決・成立したら、『一国二制度50年変わらない』という北京側の承諾に背くことになる。香港住民が求める自由と民主をも大きく脅かすことになる。厳しい制限と鎮圧では、民心を得ることができない」と指摘しました。

丁怡銘・報道官は、北京側が、自由と人権に対する香港住民の要求に応えることこそは、香港問題を解決する鍵だと強調しました。

なお、台湾の対中国大陸政策を担う、行政院大陸委員会の邱垂正・副主任委員も22日、「中国は国家安全の名義で、香港住民の民主、人権、自由を侵害しようとしている。それは香港住民の不満を募らせ、社会の不安を招くのみならず、香港に滞在している世界各国の関係者の人身の安全をも脅かし、国際金融センターとしての香港の地位にも影響を及ぼすことになる」と指摘しました。

大陸委員会は、北京当局に対して、誤った政策で香港を混乱に陥れないよう呼びかけています。

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