誠品年間ベストセラー、作家蔡康永が三冠王

  • 06 December, 2019
  • 林蕙如
台湾の大型書店チェーン、誠品書店(Eslite Bookstore)が4日に「誠品年度読書レポート2019」を発表。(写真提供:誠品書店)

台湾の大型書店チェーン、誠品書店が4日に「誠品年度読書レポート2019」の発表会を開き、台湾、香港、中国、3地域における年間ベストセラーランキングを発表しました。3地域とも、台湾の著名作家、蔡康永氏の作品、『蔡康永の情商課:為你自己活一次(蔡康永のEQレッスン)』という本がランキングの1位に輝きました。

作家ランキングでは、台湾の学者兼著名作家の龍應台氏は唯一、どの地域でも人気作家ベスト10にランクインした作家です。香港の新世代作家、不朽氏は、台湾と香港両方の人気作家ベスト10にランクインしました。中国では人気作家の1位に選ばれたのはSF小説「流浪地球」の作者、劉慈欣氏です。この小説は、今年、中国で興行成績が45億人民元、およそ日本円694億円を超えた同名映画の原作です。

また、香港では、民主化デモが読書にも反映しています。心理学に関する本のほか、アメリカの歴史学者、ティモシー・スナイダーの『暴政:掌控關鍵年代的獨裁風潮,洞悉時代之惡的20堂課(暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン)』や、香港の政治哲学者、周保松氏の『我們的黃金年代(われわれの黄金時代)』、そして世界の情勢に関する本がランクインしました。

誠品書店出版品購買部の武慧芳・事業部長は、「香港のランキング結果は実に多彩と言える。台湾と同じ、『蔡康永のEQレッスン』が1位で、台湾のフォトエッセイ作家Peter Su の新作、『陪伴,是世界上最奢侈的禮物(付き添うことは世界で一番贅沢なギフト)』もランクインした。これらはいずれも自分探しや心身の安定、自己認識を深めることに関するものだ。もちろん、社会人文科学類の本、たとえば、地図を通じて世界を知るような本もある」と話しました。

200万人の会員がいるという誠品書店は今年、はじめて国立清華大学の陳素燕・教授と連携し、読者の読書行為を分析し、2025年の読書の3大傾向を推測しました。それは、大衆心理学など人文学類の本は、2019年から初めて文学類を抜いて、一番人気の高いカテゴリーとなることや、ネット情報の充実に伴い、「旅行」や「医学」などの分野の本は需要が減ること、また、子供向けの図書は少子化に影響されず、これからも人気が衰えないと見られます。

誠品書店は今年で、創業30周年を迎えます。誠品書店の呉旻潔・社長によりますと、今年、誠品書店がはじめて中華圏を出て、東京へ進出したことは、繁体字表記の中国語書籍の輸出も促進しました。これからも前向きに頑張っていきたいということです。

呉・社長は、「台湾でも、香港でも、中国の重要な都市でも、または、今年新たに進出してきた日本でも、現在市場調査が進んでいる東南アジアの一部の地域でも、われわれは極めて貴重で、独特な中国語の作品と読書文化の内容を、より広く広めたい」と意気込みました。

30年間、台北市民に親しまれてきた誠品敦南店が、来年5月31日に閉店することについて、誠品書店は、「24時間営業の書店はこのまま消えることはない。また、ほかの場所で愛書家の皆さんと会おう」としました。

(編集:林蕙如/王淑卿)


 

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