
台湾人は世界一お酒に弱いそうです。アルコール代謝が最も低いという研究結果が出ています。
衛生福利部国民健康署の研究によると、台湾では毎年、およそ4500人がお酒が原因で亡くなっています。毎日平均11人が死亡している比率です。飲酒運転を除いて、最も多いのがやはり健康に問題を起こしたのが原因です。
アメリカのスタンフォード大学のある研究によると、5億6000万人のアジア人が、お酒に弱かったり、注射などで消毒に使われるアルコールで皮膚が赤くなったりする「アルコール不耐者」だということです。これは、アルコールを代謝させる酵素のアセトアルデヒド脱水素酵素が不足しているためで、お酒を飲んでがんに罹るリスクが高いそうです。中でも、台湾の人たちは、アルコール代謝関連遺伝子の欠損の比率が世界でも最も高いそうです。この人たちは、たくさんのお酒を飲むことで食道がんに罹るリスクが、一般の人の50倍にも高くなるそうです。
この研究を行ったスタンフォード大学の研究者は、台湾の人たちに、できればお酒を飲まないようにと、警告しています。
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お酒を飲んで、に顔が赤くなることがありますか。
これは、新陳代謝が良いからではありません。おそらく、「アルコール不耐症」というものです。
アルコールを代謝させる酵素のアセトアルデヒド脱水素酵素が不足しているため、アルコールをスムーズにアセトアルデヒドに転換できないのです。
顔が赤くなるだけでなく、鼓動が早まり、頭痛、めまい、嘔吐などの症状を引き起こします。
台湾では、およそ半数の人が、遺伝子の関係で、アルコール不耐者だそうです。
医師の鄭以勤さんは、「アジア人は先天的に、アセトアルデヒド脱水素酵素が不足している人の比率が高いのです。この人たちは、アルコール代謝能力が低く、お酒を飲むとすぐに気分が悪くなります」と話します。
「アルコール不耐症」は、アジア人特有の遺伝子の変化で、がんに罹るリスクを大幅に高めます。たくさんのお酒を飲む人は、食道がんに罹るリスクが50倍になります。
スタンフォード大学の研究によると、台湾人はアルコール代謝関連遺伝子の欠損の比率が世界一なのだそうです。できれば飲まない方が良い、と警告しています。
鄭以勤さんによると、台湾人の45%から47%は、この酵素が不足しているため、この人たちは、お酒を飲むと大変に気分が悪くなります。
「医学的には、1日のお酒の量は缶ビール1本まで。だいたい350CCのビールに相当するアルコール量を超えないよう勧めています」
WHO(世界保健機関)の統計によると、2016年に世界で300万人以上がお酒が原因で死亡しています。そのうち、飲酒運転による交通事故と暴力傷害は28.7%で、それ以外はすべて消化器、心血管、がんが原因です。
台湾の医師は、お酒を飲む量が少なくても、がんに罹るリスクは飲まない人に比べて2.26倍に高まると警告しています。