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米下院議員24名が「一つの中国」撤廃求める決議案提出 台湾与野党立法委員は期待示す

  • 07 February, 2025
  • 駒田英
米下院議員24名が「一つの中国」撤廃求める決議案提出 台湾与野党立法委員は期待示す
アメリカ連邦議会の共和党の下院議員24名が6日、トランプ政権に向け、いわゆる「一つの中国政策」を撤廃し、台湾との正式な外交関係を回復するよう呼びかける決議案を提出した。これに対し、台湾の与野党の立法委員(国会議員)はいずれも、台湾にとって好ましいことであり、前向きな影響があると、期待を示した。(写真:資料写真、Rti)

アメリカ連邦議会の共和党の下院議員24名が6日、トランプ政権に向け、いわゆる「一つの中国政策」を撤廃し、台湾との正式な外交関係を回復するよう呼びかける決議案を提出しました。これに対し、台湾の与野党の立法委員(国会議員)はいずれも、台湾にとって好ましいことであり、前向きな影響があると、期待を示しました。

アメリカ共和党のトム・ティファニー(Tom Tiffany)下院議員及びスコット・ペリー(Scott Perry)下院議員は6日、22名の下院議員と共に決議案を提出しました。決議案はトランプ政権に向けて、いわゆる「一つの中国政策」は時代遅れであり、台湾とアメリカの国民の利益につながらず、かつ70数年間に渡って、台湾が主権独立の国家という明確な現実を反映できていないと指摘、そして、国民の選挙によって選ばれた台湾の政府の合法性を承認すること、双方の外交関係の正常化及び両国が大使を相互派遣すること、アメリカ通商代表部(USTR)が台湾と自由貿易協定(FTA)の正式な協議を行うこと並びに国連及びアメリカが参加する国際組織への台湾の完全な形での参加を支持することによって、「一つの中国政策」を終わらせるよう、呼びかけました。

トム・ティファニー下院議員はまた、プレスリリースの中で、台湾は、自由かつ民主主義で、独立した国家であり、これまで一度も中国によりコントロールされたことはないと重ねて主張、アメリカは、こうした否定できない客観的事実を政策に反映すべきだ、と記しました。

ウィスコンシン州選出のティファニー下院議員は、近年、何度も類似の決議案を提出しています。なお、こうした共同決議案は、議会に対し、特定の議題に対するスタンスあるいは意見を示すものであり、大統領へ送りサインを交わす必要は無いため、法的拘束力はもたない、ということです。

与党・民進党の陳冠廷・立法委員は7日、メディアに対し、台湾とアメリカの間に正常な外交関係があることは、台湾とアメリカの実質的な関係、現状を反映するものだと指摘、その上で、現在の「一つの中国政策」には、台湾海峡の現状にあわせ改めるべき点が数多くあるとして、決議案に期待を示しました。陳・立法委員は「今回、トランプ政権発足後、我々は、アメリカ連邦議会議員の我が国に対する支持を強く感じている。我々は、両国の外交関係の正常化や、貿易における双方の関係に関わらず、両国間のハードルが緩和されることを希望する。いずれも期待したい」と述べました。

同じく与党・民進党の王定宇・立法委員は、仮にこの決議が採択されても、意見の申し立てという性格であり、アメリカ政府に態度を示すもので強制力はないが、長期にわたるワシントンDCの友人たちの台湾への支持に感謝したいと述べました。そして、トランプ大統領は、就任からこの一ヶ月、政策へ迅速で厳格な態度をみせたほか、中国を最大の脅威だと宣言したと指摘、仮にこの決議が採択された場合、トランプ政権がその後、この申し立てをどのように扱うのか、台湾は慎重に見守っていくべきだ、と述べました。

一方、最大野党、国民党の黄仁・立法委員は、この決議は台湾にとって好ましく、プラスの影響をもたらすとの見方を示しました。黄・立法委員は、「下院が提議したこの議題に対しては、楽観的な見方をしている。しかし、トランプ大統領の性格は読めない。現在は、全世界に対する関税引き上げなど経済政策が主となっている。さらに周辺国で戦争があっても、できるだけ争いを鎮めて、いかなる戦争も行わないという形だ」と述べました。

同じく、国民党の牛煦庭・立法委員は、「平常心で見守りたい。台湾を声援してくれる人がいることは当然、素晴らしいことだが、この決議案が今後審査される状況を冷静に観察しなければならない」との見方を示しました。そして、「トランプ大統領のスタイルは極度な個人主義だ。これを交渉のカードとする可能性も高く、最終的な政策決定は、やはりアメリカと中国の交渉の結果次第となるかもしれない」と注意を促しました。

(編集:駒田英/中野理絵/本村大資)

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