
フィリピンのエンリケ・マナロ(Enrique A. Manalo)外相は9日、シンガポールで開催されたフォーラムに出席し、アメリカのドナルド・トランプ(Donald J. Trump)次期大統領就任後の米中台情勢に関する質問に答えました。マナロ外相は、フィリピンの立場として、平和的手段で問題を解決するべきであると改めて強調し、台湾には十数万人のフィリピン人が生活し、働いているため、直接的な影響を受ける。各方面がコミュニケーションを維持し、緊張の高まりを回避するよう強く促すと述べました。シンガポールのニュース専門放送局、チャンネル・ニュース・アジア(CNA)が報じました。
台湾の外交部(外務省)はこれに対し、マナロ外相が2024年8月に続き、再び台湾海峡情勢の平和と安定が国際社会にとって重要であることを公に表明したと評価しました。外交部はこれを高く歓迎し、評価するとともに、「総合外交」のもとで、台湾とフィリピンの実質的な協力関係を引き続き深化させる意向を強調しました。
さらに外交部は、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領やマナロ外相などの政府高官がこのところ、台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し公に呼びかけていることについて触れ、国際社会が具体的な行動を通じて関心を示し続けることを歓迎するとしています。
外交部の蕭光偉・報道官は、ルールに基づく国際秩序を共同で維持し、台湾海峡及びインド太平洋地域の平和、安定、繁栄を促進していくと述べました。
また外交部は10日、台湾と友好関係にある勢力の拡大について、イタリアの代議院(=下院)財政委員会のマルコ・オスナート(Marco Osnato)委員長率いる訪問団が8日から11日まで台湾を訪問しており、外交部の呉志中・次長(副大臣)による歓迎会を受けたことを発表しました。オスナート委員長は、今回の超党派議員の訪台は、イタリア国会の台湾への友情と支持を示すものであり、台湾はインド太平洋地域の安全にとって極めて重要な存在である。今後、国会、経済貿易、文化などの分野で双方の交流が強化されることを期待すると述べたということです。
この訪問団が台湾の対中国政策を担う大陸委員会(陸委会)を表敬訪問した際、沈有忠・副主任委員は、イタリア代議院外交委員会による台湾の国際参与に対する支持に感謝の意を表明。さらに、政府の「四つの堅持」について説明し、新しい一年を迎えるにあたり、台湾海峡及び地域の平和と安定は、台湾海峡両岸の人々や国際社会の共通の期待であると述べました。
(編集:岩口敬子/中野理絵/本村大資)