:::

台湾ミニ百科 - 2022-12-14

  • 14 December, 2022
台湾ミニ百科
12月14日にオープンした台南の新化果菜市場 明るく広々とした市場に生まれ変わった。
台湾ミニ百科
市場の二階から三階にかけては広い敷地とつながっており、子どもが遊んだりスペースとなっている。今後はここでフリーマーケットも開催される計画があるとのこと。
台湾ミニ百科
市場にはたくさんの果物が集まる中、季節的に柿が多く並んでいた。

今日は、台南の新化果菜市場(しんかかさいいちば)についてご紹介したいと思います。

この新化果菜市場は、もともとの伝統的な市場から、新しい場所へ移転したもので、今年の9月15日からプレオープン、そして本日14日から正式オープンとなる、新しい市場です。

市場の移転ということばをお聞きになって、日本の築地市場から豊洲市場への移転したことを思い出された方いらっしゃるかもしれません。まさに同じように、古い場所から新しい場所へ移転したんですね。移転にまつわるお話も今日はご紹介していきます。

まず、この新化果菜市場は主に果物を販売する市場です。日本語ですと、青果市場という感じでしょうか。野菜はですね、トマトやアボカドは見かけましたが、多くは果物が取り扱われていました。

これまではどのような場所にあったのでしょうか。

以前は、台南の有名な観光スポットである新化老街という古い町並みがつづくオールドストリート、ここはご存知の方多いかもしれませんが、こちらから、およそ200メートルのところにありました。周りには家や学校などがひしめきあい、面積は0.9ヘクタールのみ。1998年につくられてから既に30年以上がたっていました。

今回新しい場所の住所は、台南市の新化區信義路17-6号で、台湾高速鉄道、台南駅から車でおよそ20分のところになります。

移転前の写真を見せていただきましたが、外からの光もあまり入っておらず暗く、また天井も高くなく、夏は暑さ対策のため、ミストシャワーを設けていました。人も果物もごちゃごちゃした印象が強い伝統的な市場という感じです。

市場でおなじみの、荷物を運ぶ運搬車、一人乗りで、立った形で運転する車ですね、今回初めて名前を知りましたが、日本ではターレ、またはターレットトラックというそうですが、あのような感じのバイク式の乗り物が台湾でもありまして、市場内で果物の運搬に使われていますが、せまくて危なかったそうです。

新しい市場の中は広々としており、天井も非常に高かったです。明るく開放感のある市場に生まれ変わり、移動するバイク式の車も何台も行き交っていましたが、ぶつかることはなく、移動ができていました。

そしてこれまでにない市場までの交通の動線にもこだわったとのことです。この市場、一般の方も大歓迎の市場です。観光客用と、業者用の車の動線もわけ、観光客用には広い駐車場も用意されました。動線の改善、暑さ対策、そしてフードコートなどに7000万台湾元、日本円でおよそ、3億800万円、加えて冷凍庫などのあらたな保存設備は1億3200万台湾元、日本円でおよそ5億8080万円をかけたとのことです。

 

台湾各地からのフルーツが集まっている新化果菜市場。イチゴ、みかん、メロンなどなどたくさんの果物がありましたが、日本、韓国からの果物もたくさんありました。日本の果物ではりんごや柿が並んでいましたよ。

この市場さきほどもお伝えしましたがフードコート、そして台南の名産品を販売するショップまであります。おなかがすいても安心ですね。

そして新化果菜市場の二階から三階にかけては、広々とした草原とつながっており、子供が自由に遊べるスペースになっています。また、この場所で、ゆくゆくはフリーマーケットのような催しも企画したいとのことです。

9月のプレオープンから既に来場者は40万人を超えているとのことです。

今回、市場内を案内し、市場のこれまで、これからについて説明していただきましたのは、台南農産の李芳林総経理です。

お話のなかで、一番印象的だったのは、環境が変われば人も変わるということでした。

これまでは市場でお仕事をする人の中にはたばこを吸ったり、洋服の身だしなみに気を使わない方もいたそうですが、新しい市場では、その方たちも自然に身だしなみに気を付けるようになったそうです。また若い人が、こんなに環境のいい、たくさん人が来てくれる市場なら、家族の後をつごうと、考える人が増えたということです。

市場について語る李総経理のお話からは、この市場に対する熱い思いが非常に伝わりました。

今後は、少し痛んだり形が悪かったりするなので販売できないフルーツをカットして、学校給食や、サイエンスパークで働く人への供給を考えているということ、またお正月の前には、果物の「年貨大街」、これは年越し前のマーケットですが、こうしたことも考えているなどなど、まだまだこれから発展していく様子は、台湾で最も美しい市場という外観だけでなく、中身も非常に充実した市場でした。

 

Program Host

関連のメッセージ