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台湾ソフトパワー - 2022-10-11_今年の「双十国慶節」を彩った台湾の2つの学校の吹奏楽団

  • 11 October, 2022
台湾ソフトパワー
曉明女子高級中學吹奏楽隊×京都橘高校吹奏楽部(写真:CNA)
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京都橘高校吹奏楽部×台北市立第一女子高級中學吹奏楽部(写真:CNA)

昨日(10/10)は、中華民国・台湾の建国記念日、「双十国慶節」でした。

RTIではそのセレモニーの模様を短波放送の他、フェイスブックやYouTubeにて生放送でお届けしましたが、ご覧になりましたか?

今年の「双十国慶節」では、初めて台北市の総統府、台湾南部・高雄市、そして離島の馬祖の3ヶ所を中継で結び国歌斉唱を行ったほか、初めて台湾南部・台南の「聯合武陣」の演武が登場したり、毎年注目を集めている中華民国国軍の三軍音楽隊と儀杖隊が今年は初めて難度の高い左手のみでライフルを回す技を披露するなど、様々な“初”の試みがありましたが、中でも特に注目を集めたのが、日本の京都橘高校吹奏楽部の登場。

海外の団体がこの「双十国慶節」のセレモニーでパフォーマンスを行うのは“初めて”のことだったんです。

しかも海外でも活躍している京都橘高校吹奏楽部は台湾にもファンが多く、たくさんの人が彼女たちの登場を楽しみにしていました。

また、「双十国慶節」への出演だけでなく、およそ1週間の台湾滞在中には、宿泊先の圓山ホテルのロビーでパフォーマンスを披露したり、台北101や総統府を訪れ、総統府ではサプライズで蔡英文・総統と会うことができたり、ナショナルコンサートホールで行われた日台友情の音楽会に出演したり、しかもそれらの全てを日本台湾交流協会や中華文化総会だけでなく、台湾のマスコミ各社も毎日紹介するなど、すごい歓迎ぶりと、すごい熱気でした。

そんな京都橘高校吹奏楽部が台湾滞在中に交流を行ったのが、“北一女子”の愛称でおなじみの台北市立第一女子高級中學の吹奏楽部、儀仗隊、カラーガード隊のメンバーと、台湾中部・台中市の曉明女子高級中學の吹奏楽隊。

「双十国慶節」のセレモニーが行われる前日(10/9)、中正紀念堂の自由広場にて行われたこの3校による合同交流には、一目見ようと多くの人が集まりました。

“北一女子”といえば、総統府のすぐ目の前にある、台湾最難関女子校として有名ですが、中でもここのマーチングバンド隊は歴史も長く、数十年に渡り、学校の代表として、また市の代表として、さらには国の代表として、国内外の式典でパフォーマンスを披露しているチーム。

吹奏楽部は1959年に、儀仗隊は1963年、カラーガード隊は1998年に結成。これらのチームは、台湾の高校生マーチングバンド大会で最優秀賞を何度も獲得しています。

また、儀仗隊は、国防部の第2回全国高等学校儀仗隊コンクールで優勝を果たしている他、海外でも公演を行い、国際的にも高い評価を受けています。

毎年、「双十国慶節」で素晴らしいパフォーマンスを披露しているだけでなく、元日の国旗掲揚式典や、海外からの重要な来賓を迎えるときなど、パフォーマンスを行っている台湾を代表するチームで、このチームに入りたくて“北一女子”を目指したという人も少なくないんですよ。

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そしてもう1校、京都橘高校吹奏楽部と交流をしていたのが、曉明女子高級中學の吹奏楽隊。

曉明女子高級中學の吹奏楽隊は、1994年結成。今年で結成から28年。全員中学生で構成されている、台湾唯一の女子中学生ブラスバンドです。

パフォーマンスをご覧になった方は驚かれたかもしれません。あの大舞台で堂々としたパフォーマンスを行っていたのは、そう、実は中学生だったんです。

曉明女子高級中學の吹奏楽隊は今年(2022年)までに12年連続で全国学生音楽コンクール「マーチングバンド中学生の部」で最優秀賞を獲得している名門チームです。

また2018年にはマーチングバンドのワールドカップで金メダルを、そして2019年にはマレーシアで開催されたマーチングバンドのアジアユースカップでも金メダルを獲得しています。

でも、曉明女子高級中學の吹奏楽隊のメンバーの多くは、中学1年の時、初めて楽器に触れたという人が多く、今回、「双十国慶節」でパフォーマンスを行ったメンバーは、中学2年に上がったばかりの学生たちだったそうです。

しかも、この2年は新型コロナの影響で、学校は長い間リモート授業となっていて、学生たちも例年と比べ練習時間が少なく、コンクールの参加経験も少なくなっていました。

そのため、「双十国慶節」から出演の招待が届いてから、学生たちは休日も利用して、練習をしてきました。

肺活量を増やすために毎日少なくとも2周学校を走って体力と忍耐力を付けたりもしたそうです。

毎週末、照り付ける太陽の下、汗だくになりながら、身長の半分近い大きな帽子をかぶり、重くて通気性の悪い衣装を身に着けて何度も何度も繰り返し練習をしてきた彼女たち。

時には涙することもあったそうですが、それでも学生たちは、蔡・総統や海外からの来賓の前でパフォーマンスを行えるとして、その栄誉と自身の夢を胸に、誰一人として弱音を吐くことなく練習を続け、初めての「双十国慶節」のステージで堂々たるパフォーマンスを見せていました。

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今回、京都橘高校吹奏楽部にかなりの注目が集まっていましたが、台湾のマーチングバンドもレベルの高い素晴らしいパフォーマンスを披露していましたし、それぞれに個性の違う表現を見せていました。そんな3校のパフォーマンスはもちろん、3校の吹奏楽団の交流に感動を覚えたという人も多かったようです。

この交流がきっかけとなって、お互いに刺激を受け合った吹奏楽団の学生たちのこれからの活躍にも期待ですね。

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