<第1セクション【新春のご挨拶】>
- 皆様、明けましておめでとうございます!私の所属する八得力樂團(バッテリー)も、2022年から2023年の年越しの時間帯にも台北の下町、大稻埕の「蛋白樹& Jo Bar」で「年越しライブ」を行った。今年が皆様にとって健康で充実した一年となりますよう、心よりお祈り申し上げたい。
- 昨年の下半期に徐々に各国の国境の門が開放され始め、台湾と日本の間でも漸くリアルな人の往来が回復するようになりました。私も昨年9月に2年8か月ぶりに日本に一時帰国し、両親や2人の息子たちとの再会を果たしましたが、同じ時間や空間を家族や友人たち、仕事仲間たちと顔を合わせながら共有できることは本当に有難く幸せなことだと思った。今年が日本と台湾の間でも交流と友情を一層深められる一年となることを期待したい。
<第2セクション【八得力樂團 南吼音楽祭(前半)】>
- 本日と来週の2回にわたって新春企画として、昨年10月に八得力が台南の「南吼音楽祭」に出演した際の音源を基に、私たちの台湾の様々な事象をテーマに創作したオリジナル楽曲を、私の解説とともにお届けしたい。
- 1曲めは八得力のオーディエンスの皆様へのご挨拶の曲『笑顔の贈り物』。台湾語、北京語、日本語、英語も少し混じって、日台混成バンドの私たちを象徴する曲で。「笑顔」は誰にとっても素敵なプレゼント。皆さんの大事な家族や恋人や友人や仕事仲間や、そして自分自身に、いつも笑顔を向けていただきたい。『笑顔の贈り物』OA。
- 続いて『マンゴー王国』。これは昨年7月にこの番組が始まった時の今月の歌。台湾は「フルーツ王国」その中でもマンゴーは代表格で、日本でも人気のフルーツ。台南や高雄、屏東県など南部が主な産地だが、真っ赤な皮に黄金色の果実のアップル・マンゴーをイメージしてこの曲を書いた。フレッシュマンゴーは来年の初夏までお預けですが、その季節を心待ちにしていただきたい。『マンゴー王国』をOA。
- 続いての曲は『蝶の河』。この曲も昨年9月の今月の歌。世界でも2箇所しか見られないという「渡り蝶」のルリマダラの物語。越冬のため、高雄の山中まで小さな体で200キロも旅をする蝶の生命力。その素晴らしさを感じ取っていただきたい。『蝶の河』をOA。
- 歌舞伎や人形浄瑠璃でもお馴染みの鄭成功。400年近く前に、台南をオランダの支配から解放したことで台南を中心に漢人からは英雄視されている人物。父親は明朝に支え、福建の海賊の鄭芝龍、母親は長崎平戸出身の田川マツ。その鄭成功の生涯を描いた1曲。この曲は5年前に台南の鄭成功祖廟でもライブを行い、奉納させていただいた。『国姓爺風雲』をOA。
<第3セクション【今月の曲『この命のぬくもり』】>
- 今年の冬は台湾も日本も例年より寒い。日本の北国はすっかり雪に覆われている地域も多いと思う。私も生まれが宮城県の仙台、かつて北海道や秋田で暮らしたこともあるので、雪景色のある冬が懐かしい。私の好きな雪にまつわる言葉に「雪化粧」や「雪明かり」がある。真っ白に覆われた一面の雪景色を雪化粧と形容するのは何とも叙情的。また、夜に降り積もった雪が街灯などに反射してほのかに白く輝く「雪明かり」という言葉もとても気に入っている。
- 「冬来りなば春遠からじ」という有名な言葉がありますが、雪の奥底の大地に息づく生命の鼓動をイメージしながらこの曲の歌詞を書いた。作曲はピアニストの黄裕翔さんとの共作。今月の歌『この命のぬくもり』をOA。