きょうのキーワードは章魚哥です。
そのままですと、タコ兄という意味になります。
これは何を表す言葉だと思いますか?
の章魚哥は選挙の開票ニュースの時に登場する言葉なんです。
11月26日の選挙では、開票の速報が流れると、さっそくどのテレビ局でもニュースの画面にこの三文字があらわれました。
みなさまは2010年にサッカーワールドカップの勝利チームをあてるタコ、パウル君が流行ったことを覚えているでしょうか?ドイツの水族館で飼われていたこのパウル君、
2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会のドイツ代表の対戦結果を当て続け人気となりました。彼の占い方法は二つの餌の入った容器が与えられ、一方にドイツの旗がつけられ、もう一方に対戦相手の国旗がつけられ、先に国旗がついてる容器を開けられた国が勝つという方法。因みに動きが鈍い場合は混戦、パウル君の動きが早い場合は圧勝とされました。
章魚哥という言葉、実はこのタコのパウル君が由来です。このパウル君のように選挙の結果の予想が当たる町につけられた名前なんです。
つまり、そのひとつの町の選挙の得票数と実際の市長選挙、総統選挙の得票数が近く、その町の得票率を見れば、選挙の結果がわかると有名になり、その町につけられた名前ということです。
その場所とは、台北市の武士の士に、林とかく士林区の天玉里、という里、末端の地方自治体を表す言葉ですが、日本でいうと、町、というレベルになります。
章魚哥という名前を付けられたこの天玉里(てんぎょくり)、人口と年齢構造は、台北市をそのまま縮小したものとされており、開票が始まると、すぐにニュースで話題とな
ります。
天玉里は3423戸、人口は8659人で男性が3972人、女性が4687人とのことです。
2008年、2012年、2016年の総統選、2010年、2014年の台北市長選挙、あわせて過去5回の開票数における候補者の得票率の誤差は1~0.5%の僅差だったとのことです。例えば、2010年の市長選挙、結果は国民党の郝龍斌氏が56.65%、民進党の蘇貞昌氏が43.81%でしたが、天玉里の結果は国民党58.01%、民進党41.47%と非常に近いものでした。
選挙報道では、「台北市長の結果はどうでしょうか。章魚哥の天玉里を見てみましょう」と流れたり、ネットニュースでは、「選挙戦における章魚哥の神予測、注目される台北市の天玉里」などの見出しが並びます。
ワールドカップを予測したタコのパウル君がきっかけで、今でも台湾の選挙報道に、章魚哥、タコ兄ちゃんという言葉が登場します。