今日は、ネットやニュースでよく見る言葉、「撿屍」をご紹介いたします。「撿屍」の文面上の意味は「死体を拾う」ということです。そのままの意味で使うこともできますが、もう一つの意味は、酔いつぶれた人をホテルや家に連れて帰り、性行為をすることです。
「撿屍(死体を拾うこと)」は、主にナイトクラブやバーの中、あるいはその周辺の路上で発生します。一般的に言うと、男性が女性を拾う場合がほとんどですので、ここではそのように想定して、「撿屍」の流れをご紹介いたしましょう。
死体を拾おうとする男性は、標的となる女性に酒を奢ることで女性を酩酊させてから、介助すると称して女性を連れ帰ります。またはクラブやバーに入らずに、ただそこから出てきた酔いつぶれた女性を待ち構えていた人もいます。酔いつぶれた側は、反抗することがほぼできません。ひどい場合、自力で歩くこともできず、ただ道端で横たわるしかできませんので、死体だと譬えられています。
大手日刊紙「蘋果日報(アップルデイリー)」の報道によりますと、そういう「死体」にも、酔いの程度によって、違う呼び方があるそうです。たとえば、泥酔した人は「全屍(完全な死体)」、酩酊状態の人は「半屍(不完全な死体)」と呼ばれています。泥酔した人に比べて、酩酊状態の人はまだ意識がありますので、何もかも面倒を見る必要がなく、最も標的にされやすいです。
また、「死体」を拾う人たちは、「3つの『ない』」という原則に従って、獲物を探していたそうです。つまり、「男性の同伴者のいる人を標的にしない」、「同じ酒を奢らない」、「一夜をともにしない」ことです。そのほか、「酒に強いこと」と「お金を持ち歩いていること」も重要だそうです。
「撿屍(死体を拾うこと)」は、被害者が抵抗することを知らない、または抵抗できないことを利用して、被害者の同意を得ずに性行為をした場合は、被害者の性的自主権を侵害しているため、3年以上10年以下の有期懲役が科されます。ただ、こういうことは加害者の特定が難しいし、拾われる側にも、刺激的な一夜を体験したくて、わざと拾われに行った人も少なくありません。
そのため、たとえクラブやバーの周辺では、ほぼ毎日誰かが拾われているとしても、本当に警察沙汰になり、ニュースで報道されたケースは、ほんの僅かだそうです。あくまで夜遊びを楽しみたい人ならば、酒を飲みすぎないように心掛け、ナンパしてくる人に気をつけるのが一番でしょう。
(編集:曽輿婷/王淑卿)