今日ご紹介するキーワードは「隱藏版服務」。
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皆さんは、パソコンやその周辺機器が調子悪いとき、どこに修理に出しますか?
先日、台湾南部・高雄市のあるネットユーザーが、マウスが故障したようだったので、ネットで修理してくれるお店を探していました。
すると、「高雄 修滑鼠(高雄/マウス修理)」と打って検索したのに、ヒットしたのは、高雄市三民區にあるとある「中藥行(漢方薬局)」─。
「マウスの修理で検索したのになぜ漢方薬局??」と頭の中は“?”でいっぱいになったそうですが、半信半疑のまま、その「中藥行」に電話をかけて、マウスの修理について問い合わせてみると…電話口で「エンコーダー」の交換が必要であることを告げられたそうです。
それでもまだ疑いつつ、実際にお店…つまり漢方薬局にマウスを持っていくと、やはり店の前には「中藥行」の看板が。しかもその看板も年季が入っていて、最近、店の業種を変えたというわけでもなさそう。そしてお店の中もどこからどう見ても「中藥行」で、マウスの修理をしてくれる雰囲気は全くなし。
ところが、マウス修理に来たことを受け付けの女性に告げると、奥の方に座っているオーナーのもとへ案内されました。
オーナーの姿もオフィスも、見たところ、普通の「中藥行」…という感じですが、オーナーが引き出しを開けると、まるでオーナーの身体の中にある“家電修理スイッチ”が入ったかのように、マウスのパーツを手に、プロの修理知識を語りだしたそうです。そして、およそ1時間の作業後、2つのマウスが修理を終えて返ってきました。
なんでもこの「中藥行」のオーナーは、コンピューターに興味があって、友人のマシンのセットアップを手伝ったりしていたそうで、自分のマウスが壊れたときに自分で調べて修理したりしていたそうです。それが次第に、「隱藏版服務」、つまり「隠れたサービス」として、この「中藥行」のオーナーがマウスの修理をしてくれると噂になっていました。
それが次第にネットでも話題に上るようになったんだそうで、なんと今では、ネットでこの「中藥行」の名前を検索すると、口コミや評価の欄に、「オーナーがマウスをすぐに直してくれた、値段も安かったです。ありがとうございました!」とか、「マウスの修理のプロ」とか、「お気に入りのマウスが復活!オーナーありがとう!」と、「中藥行」なのに「マウス修理」に関する高評価が続々と出てきます。
これにはネットユーザーも、「オーナーは人だけじゃなく“マウス”も治療する」とか、「これは斜め上からの組み合わせだ!」など、大盛り上がり。
これまでは「隱藏版服務(隠れたサービス)」だったのが、すっかり有名になってしまいました。
これまで10年間で1000個以上のマウスを修理してきたというオーナー。これからはもっとたくさんの依頼が来るかもしれません。