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きょうのキーワード(木曜日) - 2022-11-17_「七里香」

  • 17 November, 2022
きょうのキーワード(木曜日)
ぼんじり(雞屁股/別名:七里香)(写真:イメージ)

今日ご紹介するキーワードは「七里香」。

「七里香」といえば、台湾の音楽シーンに興味のある方はこの周杰倫(ジェイ・チョウ)の曲を思い浮かべる人が多いと思います。

この曲のミュージックビデオにも出てきますが、「七里香」とは、日本語では、「シルクジャスミン」とか「ゲッキツ」と呼ばれる植物のこと。

夏ごろに、ジャスミンに似た白い花を咲かせ、周りに甘酸っぱい優しい香りを漂わせます。

しかも、花に近づいて匂いを嗅いで感じるのではなく、例えるなら、金木犀のように道を歩いていてもふとどこからか漂ってくるような、とても強くていい香りで多くの人が酔いしれます。そのため、“七里先まで香りが漂う”といわれ「七里香」という名前となったそうです。

でも台湾では、この「七里香」にもう一つ意味があるのを知っていますか?実は台湾では“鶏のお尻の肉”、つまり「ぼんじり」のことも「七里香」と呼ぶんです。

なぜ?全くイメージがつながらないんですけど…と思いますよね。

今から50年以上前、「士林夜市」のある炭火焼屋台のオーナーが命名したものだそうで、当時、“鶏のお尻の肉”という名前の通り、汚くて不味いというイメージがあった中、たまたまタレを付けて焼いてみたら生臭さが消え、しかも食感もよく、口の中に香ばしさが残り美味しいことを発見!

それでもやはり“鶏のお尻の肉”と聞くと、やっぱり敬遠する人が多かったそうです。

でも、“鶏のお尻の肉”は、美味しいうえに、1羽から1個しか取れない貴重なお肉だというのに受け入れてもらえないなんて…と悩み、これまでのイメージを変えるために新たな名前を考えた結果、「この鶏肉を食べた後、七里歩いても、口の中に美味しい味が残っていて、後味が果てしなく続く」という意味を込めて、“鶏のお尻の肉”の新たな名前を「七里香」に決定し、1969年からその名前が受け継がれているそうです。今ではその名前は台湾全土に浸透しています。

私も初めて屋台でその名前を見かけたときは、なぜ周杰倫の曲のタイトル、しかも花の名前がお肉の名前に??と不思議でしたが、こういうことだったんですね。

ちなみに、周杰倫の「七里香」というが曲がリリースされたのは、“鶏のお尻の肉”に「七里香」と名前が付けられたずっと後の2004年─。もしかして、彼は“鶏のお尻の肉”を食べてインスピレーションが沸いたのでしょうか?(笑)。

曲を聴いてみれば、別に“鶏のお尻の肉”をかけて遊び心を出そうとしたわけではないというのがわかるように、実際には、台湾の詩人「席慕蓉」の作品から名前を取ったもので、作詞をした方文山(ヴィンセント・ファン)も、その作品に触発されて、単なる作詞ではなく“詩”を書いたんだと語っています。

ただ、当時のインタビューで周杰倫は、「七里香」に“鶏のお尻の肉”という別の意味があることは知っていたことを語っています。

花の名前と、“鶏のお尻の肉”と、有名な楽曲…。

一件繋がりがなさそうですが、どれも“遠くに行っても忘れられない”というのが隠れたメッセージなんですね。

夜市の炭火焼屋さんで、お肉の名前に「七里香」と表記されていたら、それは“鶏のお尻の肉(ぼんじり)”なので覚えておいてくださいね。

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