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きょうのキーワード(木曜日) - 2022-07-14_「兇狠圓軸蟹」

  • 14 July, 2022
きょうのキーワード(木曜日)
兇狠圓軸蟹(ミナミオカガニ)(写真:台南市台江國家公園台江蝦蟹螺貝類資源手冊よりスクリーンショット)

今日ご紹介するキーワードは「兇狠圓軸蟹」。

漢字だけ見るとちょっと怖そうな印象ですが、日本語では「ミナミオカガニ」というそうです。

この「兇狠圓軸蟹(ミナミオカガニ)」、夜行性で甲羅の幅が12センチにもなるなど、台湾の陸生の蟹のうち、最もサイズが大きいとされているそうです。

台湾南西部の沿岸部一帯に生息していて、中でも台湾南部・台南市の台江國家公園内の曾文溪という川の南岸は台湾最大の「兇狠圓軸蟹」の生息エリアなんだそうです。

しかし、台湾生態学会の調査によると、生息地の破壊や、ペットとして売るために捕獲されたり、人間が出したごみを食べてしまったり、車によって轢かれてしまったりなどの原因で近年、その数が減っているそうです。

そこで、「兇狠圓軸蟹」を護ろうという取り組みが行われます。

毎年6月から11月の繁殖期には4500匹を超えるメスの蟹が、産卵のために曾文溪に向かって歩いていくんですが、その道の途中、青草崙堤防防汛道路(青草崙堤防治水道路)という車道を超えなくてはなりません。そこで車両に轢かれてしまう「兇狠圓軸蟹」も少なくないことから、台江國家公園管理處は、今年初めて繁殖期のピークである7月、8月に、青草崙堤防防汛道路の交通規制を行うこととしました。

規制は、今日(7/14)から16日までと、7月30日から8月1日まで、そして8月13日から15日までの3回、毎晩6時半から9時半まで車両の進入を禁止します。

今回、初の取り組みで、台江國家公園管理處は付近のコミュニティに説明会を行い、保育への協力を求めています。

また、台江國家公園の外でも、鹽水溪と呼ばれる川の南岸エリア、安平區の賢北國小(賢北小学校)と安平老街(安平オールドストリート)の間にはバイク専用道路があって、その道路を横切ろうとした「兇狠圓軸蟹」がよく車両に轢かれてしまっているそうです。しかも、轢かれた後、今度はバイクがスリップする原因となってしまうこともあります。そこで、今年の繁殖期には、市と協力して制限速度を下げる看板を設置したり、ボランティアを動員して交通整理を行い、「兇狠圓軸蟹」が道路を渡れるようにする予定とのことです。

日本ではカルガモの親子のお引越しのために交通規制がかかったりしますが、台湾でも「兇狠圓軸蟹」を護ろうという取り組みを始めています。今年は多くの「兇狠圓軸蟹」が川まで無事にたどり着いて産卵できるといいですね。

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