今日ご紹介するキーワードは「誠品書店」。
台湾の大型書店チェーン「誠品書店(Eslite)」です。
「誠品書店」と言えば、私も旅行客として台湾を訪れていた時に、24時間営業の本屋さんがあるんだよ~と夜中に連れて行ってもらい、たくさんの人が真夜中、お店の床に座って静かに本を読んでいる様子に独特の雰囲気を感じたのを今でも覚えています。台湾の本好きの人たちにとっても、この24時間営業の店舗で本を読んだというのは青春の記憶の一つでもあるそうです。
しかし、その24時間営業の店舗、「敦南店」は、2020年にビルの建て替えに伴い閉店してしまいました。
そして、その後、24時間営業を引き継いだのが、台北101の近くにある「誠品信義店」だったのですが、その「信義店」と家主である統一グループとの間で賃貸契約更新を巡って様々な論争が巻き起こっていて、先ごろ家主である統一グループが、「誠品信義店」のリース更新を支持していた2つの企業から統一国際ビルショッピングモール株を58億9600万元で購入したと発表。これによって、「誠品信義店」は2023年のリース満了後の撤退が決定的なものとなりました。
これを受け、誠品書店側は、「2年前から複数のプロジェクトと準備を進めていて、もし信義店のリース更新ができなかった場合、信義エリアには同等のプロジェクト案はないが、他の選択肢もある。2年以内に、すでに契約している北部、中部、南部の3つの大型店舗を展開させ、成功を収めたい」としています。
一方、市民からは、次はどの店舗が24時間営業を引き継ぐのかと、注目が集まっています。
上がっている候補は3つ─。
1つ目は、「敦南店」が閉店するときにも引き継ぎ先として名前が挙がっていた「誠品台北南西店」。
台北メトロ(MRT)レッドラインとグリーンラインが交わる「中山駅」のすぐ上にあり、お隣は新光三越南西店と、とても賑やかな商圏。店舗も、信義店、松菸店に次ぐ3番目の広さで、2018年のオープン後1か月の来場者数はのべ80万人に達し、収益は全国の誠品書店のトップ3となっています。
2つ目は、「誠品台北松菸店」。
ここは台北松山文創園區(文化クリエイティブパーク)に位置し、台北メトロ(MRT)ブルーラインの「市政府駅」から徒歩およそ10分。周辺は住宅地と言うことで、夜になると人通りもまばらで24時間営業には不向きな立地ではありますが、店舗面積は信義店に次ぐ全国第2位で、さらには2023年に近くに台北ドームが完成予定であることから、ホテルの開業など、周辺の商圏が活気づくとみられていて、潜在力を秘めています。
そして3つ目は、2023年にオープン予定の「誠品新店裕隆城店(誠品新店ユーロンシティ店)」。
面積1万9000坪と、完成すれば台湾最大の店舗となる予定で、次なる不夜城にピッタリではないかとされています。ただ、まだオープンしていない店舗であること、台北メトロ(MRT)グリーンラインの「七張」駅から徒歩10分と、駅からもそして元々の繁華街から離れているため、どれだけの集客が見込めるのかが未知数であることがネックとなっています。
今後、誠品書店の24時間営業の店舗がどうなるのか、その動向に注目です。