今日ご紹介するキーワードは「把鑰匙丟下樓」。
今、台湾は新型コロナの感染者が急速に増加しています。
先週(4/19)、1日の新規市中感染者数が医療キャパシティの警戒ラインを越えたとして、台湾の新型コロナウイルス感染症対策本部である「中央感染状況指揮センター」は、感染者の自宅療養を開始し、全国の薬剤師が直接自宅へ薬を届ける業務を始めると宣言しました。
しかし、市民の心の中には気になることが。
それは、もし古いアパートで管理人がいない、またインターホンにドアを開ける機能がついてなく、下まで扉を開けに行かなくてはならない家だったら、隔離中、どうやって薬やデリバリーしたものを受け取ったらいいのだろうか…と言う疑問でした。
実は我が家も5軒で1つの玄関とポストを共有している家のため、1階のインターホンは切ってあるので、普段、誰か来る場合には直接連絡をしてもらって、私が1階まで扉を開けに行かなくてはならないので、私自身もちょっと気になっていました。
その疑問に対して、指揮センターの陳時中・指揮官が
「もし本当にそのような極端な状況の場合、“或許可試試把鑰匙丟下樓等”(鍵を下に投げるなどしてみてはどうだろうか)」と回答したんです。
その「把鑰匙丟下樓(鍵を下に投げてみる)」という言葉が話題となっています。
このコメントにネットユーザーからは、「次の注目アイテムは“釣り竿”かも。鍵を引っ掛けて竿を1階に向けて投げるためにね」というジョークが。
また、他のネットユーザーからは、「小さい時に5階から投げたことがあるけれど、他の人の車に当たってしまったから、あれからやっていない」とか、「前にやったことあるけど、ティッシュで包んでビニール袋に入れてから投げたほうがいいよ」といった経験談を語る人や、「排水口に落ちてしまったらどうするの!」とか、「1階の雨樋に引っかかってしまったりして…」と心配し、「かごに入れて吊り下げるのが安全だよ」という意見や、中には「問題は投げた後、想像していたルートに行くかどうか。自分の家は、唯一の窓が1階の扉に面していないんだ」といった、鍵を投げるのにも技がいるといった書き込みまで、様々なコメントが寄せられました。
ただ、陳時中・指揮官も、もし鍵を使って入り口を開けなくてはならい極端なケースがあれば、自治体に連絡をして助けてもらうこともできるとしていて、「このような状況は非常にまれだろう」と語っていますが、このネット上での盛り上がりに、ある薬剤師さんが、自身のフェイスブックページに「実際、緊急の状況であれば、鍵を下に投げるのが本当に唯一の選択肢なんだよ。みんな笑わないで。台湾は世界でも治安がいいからね!」と書き込んでいます。
連絡が取れさえすれば、どのよう受け取るかの相談ができるようですので、実際に鍵を投げる必要はなさそうなので、私も安心しました。
ただ、自宅療養者や自宅隔離の人もデリバリーを頼んでもいいとしていることから、デリバリースタッフの感染リスクが心配されています。これに対して指揮センターは、「直接会ってとは言わない。連絡をして扉の前や他の場所に置くようにしてほしい」と回答していますが、もし現金支払いの場合はどうするのかなど、まだまだ細かな問題があり、ひとつひとつ解決に取り組んでいます。