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きょうのキーワード(木曜日) - 2021-10-07_「台湾LV」

  • 07 October, 2021
きょうのキーワード(木曜日)
(写真:CNA)

今日ご紹介するキーワードは「台湾LV」。

この“LV”とはフランスのラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン」のことです。

この「台湾LV」とは、赤、緑、青のカラフルな編み目が目を引く、ナイロンバックのことで、水にぬれでも大丈夫ですし、重いものを入れても破れないので、お母さんたちやおばあさんたちが地元のローカルな市場で使っているのをよく見かけます。

台湾では、台湾語で「茄芷袋(がーじーでぁー)」と呼ばれています。

元々はイグサの茎を手で編んだカゴがはじまりで、台湾の工業化に伴い、ナイロンメッシュを使った半透明のバッグに変わっていきました。

釣り糸などに使われるナイロン糸を使って編まれていることから、日本語では「漁師網バッグ」などと紹介されています。

でもなぜその身近な生活用のバッグが「台湾LV」と呼ばれているのかというと、かつてルイ・ヴィトンがこの「茄芷袋」と似たような柄のバッグを発売したことがあるからなんだそうです。

それを見て台湾の人たちは、あれ自分たちがよく使っている「茄芷袋」とそっくりじゃん!と思いましたが、その価格は数百倍!!!

そこで、冗談交じりに、「私も“ヴィトン”のバッグ持ってるよ~ 。ほら、“台湾LV”」と、「茄芷袋」のことを“台湾LV”と呼ぶようになったんだそうです。

かつては、お母さんやおばあさんたちが持つバッグとして、若者からはちょっとダサいとされていた時期もありますが、日本人をはじめ、外国人観光客が、この色合いと使い勝手の良さ、そしてプチプラなところに惹かれ、ここ数年、お土産に買って帰る観光客も多かったことや、2017年の中華民国建国記念・双十国慶節のイメージデザインがこの「茄芷袋」を代表する赤、青、緑の三色の柄をベースにしたものとなっていたことなどから、再び脚光を浴び、今ではそのバッグだけでなく、その形をした交通系ICカードが登場したり、その柄やデザインが、マスクや文具、インテリア雑貨など、様々な形のものに取り込まれてグッズとなって登場しています。

ちなみに、この「茄芷袋」という名前は、日本語の「かぎ編み」から来ていると言われていますが、そもそも正式な名前はなく、日本統治時代に、台湾の農村部でこのイグサの茎を編んだカゴが良く使われているのを見かけた日本人が、それを“large kaban”と呼んでいたことから、その“large kaban”という名前を聞いた台湾人が伝えていくうちに“large”が“かーじー”となって、後ろに“袋”を付けて「茄芷袋(がーじーでぁー)」と一般に呼ばれるようになったんだそうです。

「茄芷袋」を見かけたら、「あ、これ、“台湾LV”でしょ?」と聞いてみると話が盛り上がるかもしれません。

私もお弁当用バッグとして毎日、小さいな「台湾LV」を持ち歩いています(笑)。

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