きのう9月21日は、旧暦の8月15日に当たり、中秋の名月を愛でる中秋節です。しかし、台湾の民間信仰では、この旧暦8月15日は、土地の神様、「土地公」が神様になった日で、「土地公」の第2の誕生日でもあります。「土地公」には三つの誕生日があります。一つ目は、旧暦の2月2日、二つ目は旧暦の8月15日、三つ目は旧暦12月16日です。
「土地公」は守護神であって金運の神様でもあるので、この三つの日になりますと、お供え物を用意して誕生祝いに行き、そのついでに金運、出世、健康を祈る人が少なくありません。
台湾の著名な民俗学者によりますと、「土地公」の誕生祝に行くとき、お餅と、殻がついているピーナッツ「殻付き落花生」を持っていくといいです。お餅は、歯にくっつきやすいので、お金がくっついてくる象徴とされています。「落花生」三文字の標準中国語の発音は、いいことが続発する「いいこと尽くめ」の発音に近いです。ですから、この二種類の供え物を用意していく、金運に恵まれ、いいこと尽くめの人生になるということです。
この二種類の供え物のほか、また、「バナナ」、「李」、「梨」、「パイナップル」、「サトウキビ」を供え物にすると縁起がいいといわれています。「」
「バナナ」、「李」、「梨」、「パイナップル」この4種類の果物の略称は、きょうのキーワードです。松尾芭蕉の蕉は、中国語で香蕉というバナナの略称、李、梨、食欲旺盛の旺は、パイナップルの台湾語名です。この四文字を集めると、「招く、你、来る、旺盛」になり、「あなたのところに繁盛を招いてくる」という意味です。なぜこの四種類の供え物を持っていくのかお分かりになるでしょう。
先ほどのお供え物の中には、サトウキビがありますよね。それはまたなぜでしょうか、サトウキビには節(2)がありますね。中国語には「節節高昇」という四字成語があります。節句の節を二文字続けて書いてから高い、上昇するの昇と書きます。一歩一歩高くなる、つまり出世という意味です。サトウキビを供え物にするのは出世を祈るためです。