今週金曜日は3月11日─。
2011年3月11日、宮城県三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生、東日本大震災が起こりました。
震災発生後、日本は世界中からたくさんのお見舞いや支援を受けました。
中でも台湾からは200億円を上回る世界最高額の義援金をはじめ、数々の支援や応援をもらいました。これをきっかけに台湾のことを知ったという日本人も少なくありません。
そんな台湾の人たちに感謝の気持ちを伝えたい!と震災の翌年から、台湾に住む日本人留学生を中心に「謝謝台灣」というイベントが始まりました。
毎年3月に開催されるこの「謝謝台灣」イベントは、台湾の人たちへの感謝の気持ちを届け、被災地の現状を伝えるとともに、日本と台湾の「心の絆」を形にしていくことを目的に行われています。
一昨年(2020年)は、新型コロナの影響でイベントが中止となり、別の場所で展示のみを行ったということもありましたが、毎年、台湾北部・新北市の淡水を会場として、感謝の気持ちを伝えるイベントを行っていて、今年(2022年)も昨日(3/6)に開催されました。
11回目となる今年の「謝謝台灣」イベントは、これまでの台湾への感謝の気持ちを伝えること、そして震災を通して日台の絆をさらに深めるというテーマ「謝謝台灣」に加え、「一起加油(共に頑張ろう)」というサブタイトルを加え、“お互いに支え合っていこう”という思いが込められ、「謝謝台灣 日台の友好、絆 & 1+1」というタイトルで開催されました。
今回、どのように変わったのか、「第11回 謝謝台湾実行委員会」代表の山内わかなさんは、
「今回、1+1というのですが、一方的に感謝を言うだけでなく、お互いに支援や助け合いがあるので、互いに頑張っていこうということから“一起加油”というテーマを基に活動しています。これまでは一つの地域をフォーカスするのではなく、被災地をバランスよく紹介していましたが、今回、支援の中でも一番多かった南三陸町にフォーカスしているのも特徴で、そのエリアの復興状況や、そのエリアの人たちがどう頑張っているのか、どう過ごしているのかにフォーカスしています」と紹介しています。
イベント会場には、淡水区の巫宗仁・区長や、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会の村嶋郁代・広報文化部長らも参加。
また、宮城県南三陸町と映像を結び、南三陸町の佐藤仁・町長らから、台湾からの支援が南三陸病院の再建にとても助けとなったこと、その後の台湾との交流などについての紹介や感謝のメッセージが届けられた他、宮城学院女子大学音楽科OGにより結成されたコーラスグループ「エスポワールフォレ」による歌のライブ中継などが行われました。
この他、会場では、日本人、台湾人双方からの感謝とエールを書き込む「絆シート」のブースや、絵灯籠の絵付けのブース、そして浴衣体験ブースなどもあり、多くの人が立ち寄って、一緒にイベントに参加していました。
イベントが行われた3月6日は気候もちょうどよく、日曜日ということもあり、淡水には多くの人が遊びに来ていて、イベントを知らずに通りかかった人たちも、興味を持って立ち寄ったり、昨年(2021年)にこのイベントのゆかりの地である淡水オールドストリート前広場に建てられた「日台・心の絆」記念碑の前で写真を撮ったりしている姿も多くみられました。
「震災の際、多くの支援をしてくれた台湾の人たちに感謝の気持ちを伝えたい!」という思いから、台湾にいる日本人留学生が中心となって始まった「謝謝台湾」イベント。それが、今も留学生の間で受け継がれ、日本と台湾の交流を広め、絆をより深めるきっかけにもなっています。